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在日同胞2世指揮者
金洪才さんに「渡邊暁雄賞」

在日外国人で初めて


 在日同胞二世の指揮者・金洪才さん(43)=写真、林喜代種氏撮影=が日本のプロオーケストからの推薦を受けて渡邉暁雄音楽基金「音楽賞」を受賞することになった。渡邉暁雄音楽賞は、日本では斎藤秀雄賞と並び称されるプロ指揮者の登龍門。金さんはすでに斎藤秀雄賞を受賞しているが、日本で活躍している指揮者の中で両賞を受けるのは金さんが初めて。

 渡邉暁雄音楽賞は「次代の音楽界を担う優秀な指揮者」に贈られる。全国の各プロ交響楽団のコンサートマスター(或いは楽員代表)、事務局長(或いは音楽管理責任者)の中から少なくとも二人の推薦を受けることを必要とし、さらに運営委員会(藤山覚一郎運営委員長)の選考にかけられる。年によっては該当者がいないことも珍しくない。

 厳しい審査をくぐりぬけた歴代の受賞者には、大野和士さん(東京フィルハーモニー交響楽団)、広上淳一さん(日本フィルハーモニー交響楽団)、高関健さん(群馬交響楽団)がいる。

 金さんは兵庫県内の民族学校出身。桐朋学園大学で小澤征爾、秋山和慶、森正の各指揮者に師事。在学中の七八年に東京シティ・フィル特別演奏会「朝鮮管弦楽特集」でデビューした。翌七九年の第十四回国際指揮者コンクール(十四カ国九十四人が参加)ではテクニックの確かさと流麗で音楽性豊かな表現力が評価され二位と初の特別賞(斉藤秀雄賞)を受賞している。

 渡邉音楽賞の授与式は十八日、東京サントリーホールステージで行われる。また、受賞記念コンサートを関西フィルとの組み合わせで十月十三日、大阪ザ・シンホニーホールで開く予定。

(1998.6.17 民団新聞)



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