民団新聞 MINDAN
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母国でルーツ探索
夏季学校が開講

視覚障害者が初の参加


今年も各地から230人の在日3・4世中・高生が参加した
(7月30日TCATから出発する関東地区の入校生)

 夏休みを活用して母国の地で自分のルーツを探索し、生きた民族素養を植え付ける在日同胞二・三世中・高校生を対象にした母国夏季学校が七月三十日からスタートした。今年も全国で二百三十人が入校、人気の高さをうかがわせた。

 入校生は八月八日までの十日間、ソウル五輪公園内のパークテルに宿泊しながら、韓国語、歴史、社会、国内情勢、統一問題をはじめ、チェサなど韓国伝統儀礼の講義を受ける。

 講義のほか博物館、独立記念館、民俗村、国楽、テコンドの鑑賞や慶州などの古跡も訪れ、生きた韓国の歴史と文化を学ぶ。また、第三南侵トンネルなど一線地帯も視察し、祖国分断の痛みを肌で感じとる。

 入校生らは七月三十日に東京、大阪、名古屋、福岡などの各空港から出発し、ソウル入りした。翌日午前には入校式が行われた。

 成田から出発の東京、埼玉、新潟などの入校生は早朝から東京箱崎のTCATに集合。入校生のほとんどが初めての母国訪問。家族の勧めで参加したものも多く、「学校では学べない韓国の歴史や文化をしっかり身につけたい」「両親に聞かされたり、テレビなどでは何度も韓国を見ているが自分の目で生の姿を見たい」と目を輝かせていた。

 また今回、愛媛県から視覚障害者の陳由紀さん(国立筑波大付属盲学校・中二)が参加しているのも大きな特徴だ。陳さんは、出発に先だって日程表や観光コースを点訳し、入念にチェック。「慶州などの歴史遺跡を訪れるのが楽しみ」と胸を膨らませながら出発していった。

(1998.8.5 民団新聞)



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