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”文化の秋”へ企画続々

在日文化芸術協会


 在日同胞の文化・芸術活動の発展のために活動する在日韓国人文化芸術協会(河正雄会長)は「文化の秋」をめどに相次いで二つの文芸協講座を実施する。九月初には在日同胞女性作家と語る会を、また十月には韓国民芸に民族文化の美を見いだした浅川巧を偲んで、巧の生地を訪ねる旅を企画している。文芸協では豊かな感性を持った女性作家や韓国をこよなく愛した浅川巧の人間性を考えるためにも多くの参加を募っている。


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焼肉味わいながら在日女性作家と語る会
9月5日・東京で

 第四回目の文芸協講座となる「在日の女性たちと語る会」は九月五日に東京・千駄ヶ谷の焼き肉「外苑」で行われる。

 昨今、在日同胞をテーマに文筆活動を行ってきた在日同胞の女性作家の評価は、日本文学界だけでなく韓国でも高まっており、彼女たちが歩んできた在日同胞の歴史を共に語り合おうという企画。

 同会には、在日同胞女性たちの同人誌『鳳仙花』に執筆する四人の作家が参加する。『贋ダイヤを弔う』で九四年に大阪女性文芸賞を受けた金真須美さん(本名・梁真須美)は「在日であることの両義性」をテーマに語る。李優蘭さん(本名・李英淑)は『土の匂い』で九〇年に山梨県芸術祭優秀賞を受け、今回は母への思いを語る。

 また、趙栄順さんは「家庭の中の在日」をテーマに日頃の思いを表現する。『聖夜』『鬼の棲家』で駿河台文芸佳作となった沈光子さんは「鳳仙花の種を撒く女たち」について語る。


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浅川巧の生地探訪
10月にバスツアー 先着45人を募集

 一方、浅川巧の生地を訪ねる旅は十月十八日にバスツアーで巧の生地・清里を訪れる。

 浅川巧は、日本人林業技手として朝鮮に渡るが、陶磁器など民芸の中に民族の美を見いだし、生涯を韓国と韓国民芸の発掘に捧げた。その墓はソウル郊外にあり「韓国が好きで韓国を愛し、韓国の山と民芸に身を捧げた日本人、ここに韓国の土となれり」と墓碑に刻まれている。韓国民芸の名品を紹介する著書も多数ある。

 バスの中では、自身も浅川巧に魅せられた文芸協の河会長が講師役を買って出るなどツアーを先導し、現地でも津田塾大学の高崎宗司教授が「浅川巧の生涯」をテーマに文化講演を行う。

 「在日の女性たちと語る会」は午後五時から。会費は五千円。参加申し込みは九月三日まで。また浅川巧生地探訪は午前七時十五分に新宿に集合できる人で、参加費は一万円(日帰り)。参加人数は四十五人で締め切り。

 申し込みは双方とも電話048(295)5267、FAX048(297)3201の文芸協まで。

(1998.8.5 民団新聞)



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