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「チョゴリで出入りするな」
マンション経営者に賠償命令

入居民族差別で大阪地裁


 【大阪】賃貸マンションを借りるに際して、民族衣装を禁じられるなどの差別発言を受けた在日韓国人家族がマンションの経営者を相手取って五百万円の損害賠償を求めていた問題で大阪高裁は七月三十一日、原告勝訴の逆転判決を言い渡した。

 訴状によると、原告の在日韓国人夫婦と子供三人は一九九二年十一月、大阪市天王寺区の九階建てマンションの七階部分に入居する際、経営者から「民族衣装を着て出入りしてはいけない」「ニンニクのにおいをさせてエレベーターに乗らないで」などといわれた。

 チマチョゴリの着用をめぐってのトラブルが続く中、在日韓国人家族は「民族差別」と再三にわたり抗議した。

 これに対して、経営者も発言の行きすぎを謝罪したが、在日韓国人側は人格権を否定されたとして大阪地裁に提訴した。

 一審の大阪地裁は「共同生活をするうえでのエチケットに関する注意をしていただけ」という経営者側の言い分を認め、訴えを棄却していた。一方、大阪高裁の控訴審では「(衣装などによる)国籍の表明は許されるべきで、経営者の発言は人格権を侵害している」と認め、経営者に計四十万円の賠償を命じる逆転判決を下した。

 判決文で小林茂雄裁判長は「韓国人らしくすることを禁ずる正当な理由は見いだせない。外国人の家族が自国の民族衣装を着たり国籍を表明することは尊重されるべきだ」と述べた。

(1998.5.8 民団新聞)



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