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民族体験初々しく

平塚に民族クラブ発足
市教委の指針受け開設


チャンゴのたたきかたなども学んだ平塚民族クラブ


約40校の児童対象にふれあい

 【神奈川】日頃、民族文化に触れる機会のないオリニにハングルやチャンゴを体感してもらおう―。湘南コリアン文化研究会の李禮子さんらが進める「コマの会」が一日、平塚市の旭南公民館で開かれ、五歳から小学六年のオリニ十三人と保護者六人が集まった。この「民族クラブ」は平塚市教育委員会が九七年三月二十七日に策定した「在日外国人(主として韓国・朝鮮人)にかかわる教育の指針」を受けて始められたもので、関東では横浜や川崎に続く試みで、「民族クラブ」という名称を前面に出したのは初のケース。市立勝原小学校(長谷川晃校長)を舞台に、同市中地区の小・中学生が対象だ。

 二回目となるこの日は、参加者の緊張をほぐすチャンゴ演奏の披露から始まった。李さんと小学四年生の金祥豪君の親子が、二カ月の練習とは思えない腕前を見せた。

 「みなさんもすぐにこれくらいの演奏ができます」と、李さんが次回からのスタートを伝えると、「オンマ、冷や汗をかいているよ」と祥豪君が茶化す。

 続いて在日歴十年の李順蘭さんが、幼稚園の園長だった経験を生かし、ハングルで書いたオリニたちの名前を歌で紹介した後、会のテーマ曲にしている「アプロ」や韓国の童謡を楽しく教えた。言葉の勉強ではカジャ(行こう)、ナラ(国)などの簡単な単語を覚え、音楽が止まったところでハングルカードを探すカルタゲームに興じた。

 会には李さんの講演活動で知り合った二世の保護者や韓国から嫁いで来たオモニらも参加した。茅ヶ崎市から日韓ダブルの二人の子どもと初参加した若代彰路さん(47)は、「機会あるごとに参加したい」と語り、ハングルが読める小学四年の慎君は、カード探しで四枚取ったと誇らしげだ。

 「会を始める段階で初めて本名通学の六年生を知った。子ども同士はすぐに友達になったし、表情がすごく明るくなった。会の日は朝からにこにこしている」と李さん。

 韓国の昔話読みの聞かせなどを取り入れながら、一人でも多くの在日同胞に出会いたいと意欲を示す。クラブは毎月第一土曜日の午後一時半から三時まで。次回は九月五日、勝原小学校の音楽室で開催する。

 連絡は李さんへ。電話は0463(34)9921。

(1998.8.5 民団新聞)



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