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歴史の暗部に再照明
強制連行全国集会

尹奉吉義士で特別報告


尹奉吉義士の碑に献花する集会参加者(8月9日、金沢)

 【石川】各地で日本の戦争・戦後責任を明らかにするため、調査・研究活動に取り組んでいる個人や団体が八、九の両日、金沢市内の石川県教育会館で「第九回朝鮮人・中国人強制連行・強制労働を考える全国交流集会」を開いた。

 金沢市は、韓国の独立運動の英雄である尹奉吉義士(一九〇八〜三二年)が激しい抗日闘争の結果に銃殺された場所。初日の報告集会では、市内・野田山墓地の一角で尹義士の遺体を掘りあてて以来、暗葬地跡の保存と碑建立に奔走した地元の在日同胞、朴仁祚さんが「尹奉吉義士は歴史から抹殺されていた」と題する「特別報告」を行った。

 尹義士は一九三二年四月に中国・上海で行われた「天長節」の祝賀会で爆弾を投げて逮捕され、野田山へ登る市営墓地の参道下に暗葬された。遺体は一九四六年に掘り起こされるまで十三年もの間、幾多の人たちに踏みつけられていたことになる。朴さんは「当時は軍部独裁の時代。尹義士の存在を闇から闇へと葬り去り、歴史から抹殺したのであろう」と述べた。

 交流集会には全国から約二百人の関係者が出席。翌日は暗葬地跡を訪れ、「尹奉吉義士の牌」に献花した。

(1998.8.15 民団新聞)



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