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同胞お年寄りにデイケア
民団大阪・泉北支部

市も運営費補助



専従職員2人が健康管理
昼食には韓国料理も

 【大阪】民団大阪・泉北支部(李漢ケイ団長)が、公的支援を受けて八月から同支部会館に「街かどデイハウス」を開設し、同胞のお年寄りから喜ばれている。民団が専門職員を置いて、高齢者や身体障害者のためのデイサービスに乗り出すのは全国でも初めてとみられている。

 民団泉北支部の「街かどデイハウス」の愛称は「ムグンフアハウス」。八月三日のオープン以来、毎日、平均して七、八人の同胞お年寄りが通ってくる。午前中は体操などして過ごす。専従の同胞職員二人がついて血圧を計るなど、健康面の管理も万全。

 お昼には韓国料理主体の食事、午後三時にはおやつがでる。四時から五時までは婦人会がボランティアでお年寄りの世話にあたっている。

 運営費は年間四百万円が和泉市側の負担。不足分は民団泉北支部の有志が自発的に持ち寄り補っている。このため、お年寄りの負担は一人当たり五百円におさえることができた。一般的なデイハウスでは千五百円が普通だというからかなり割安だ。

 同支部館内にはデイサービスの対象となる七十歳以上の同胞お年寄りは百人を数える。これまでは日本のデイハウスを利用するお年寄りもいたが、言葉の問題や生活習慣の違いなどでどうしても長続きしない。

 心を痛めた李団長は二年前から同胞のための独自のデイハウスができないかと市会議員らとの折衝を重ねてきた。

 この熱意が実ったのは昨年のこと。和泉市が今年四月からスタートさせた住民参加型活動支援事業のひとつとして認められ、八月から正式に予算化されたのである。「市が条件として提示したのは、一日五人以上のお年寄りの世話ができること、および、専従職員とボランテイア三人以上を確保することの二点だった」

 同支部ではデイサービスの対象となる百人の中から一人暮らしや介助を必要としている三十人を選び出し、月曜日から金曜日まで一週間単位で割り振り、世話にあたっている。

 李団長によれば、デイサービスが始まって以来、「朝から晩まで万年床にくるまっているようなお年寄りが精神的に元気になっている」という。「一週間に三回病院通いしているお年寄りでも、二回、一回で済むようになるのでは」と期待している。

(1998.8.26 民団新聞)



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