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中央大学、半世紀ぶりに卒業証書

韓国・台湾出身者4人に



戻ってきた“忘れ物”を手に
記念撮影する卒業生

 日本の中央大学(東京都八王子市・外間寛学長)は四日、同大学で戦時中、中途退学を余儀なくされ、卒業できなかった韓国・台湾出身者の元留学生四人に対する特別卒業証書の授与式を行った。

 今回、授与の対象になったのは楊順圭(80)さんはじめ、日本在住の四人。中央大の発表によると、戦時中、韓国・台湾出身の留学生は約三千人在籍していたが、半数以上が卒業できず学校を離れていった。

 今年の夏、特別卒業証書を授与するため、韓国と台湾に一九四三年四月から四五年八月までの間に同大の予科、専門部、学部に在籍しながら「陸軍特別志願兵臨時採用規則」で中途退学した対象者を新聞広告で呼びかけた。

 日本在住の四人を含め、台湾からは十五人、韓国からは百二十二人の元留学生や遺族が名乗り出た。

 今回の授与式に続いて、十二月には韓国で、来年三月には台湾でも授与式を行う予定だ。

 半世紀をこえて卒業証書を手にした東京在住の南宮シュウさん(75)は「忘れ物がやっと戻ってきたようだ」と目頭を熱くしていた。

 繰り上げ卒業式はこれまでにも立命館大、同志社大などが実施、関東では中央大が初めて。

 外間寛学長は「終戦から五十数年、卒業できなかったみなさんに申し訳なく思い、今日の授与式が実現できて学校側もうれしい」と胸をなで下ろしていた。

(1998.10.7 民団新聞)



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