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高電社の韓日翻訳ソフト「j・Seoul/JK」

優秀システムに選定、表彰される



高電社の高基秀社長

 日本語の文章を簡単な操作で韓国語に翻訳できる日韓翻訳ソフトウエア「j・Seoul/JK」を開発した高電社(大阪市、高基秀社長)が、情報化月間推進会議(井川博議長、財団法人日本情報処理協会会長)から九八年度の優秀情報処理システムとして表彰された。在日韓国人の表彰はこれが初めて。

 同会議は通産省をはじめとする日本の九省庁で構成、日本の情報化をより一層推進するため十月を中心に毎年、全国各地で様々な行事を展開している。一日、都内のホテルで開いた記念式典もそのひとつ。

 二十七回目を数える今年は、二十三の個人と企業に通産相、総務庁長官、郵政相から、さらに、十四の優秀情報システムには井川議長からの表彰状がそれぞれ贈られた。

 高電社の「j・Seoul/JK」をはじめとする一連の翻訳システムは、アジアの文化交流推進のためにと通産省の委託を受けて約二十年前から研究を始めた。これまでに「日韓・韓日」「英日・日英」「中日・日中」といった言語間の翻訳ソフトを開発・販売している。

 「日韓・韓日」については日本語から韓国語に翻訳できる「JK」が最も完成度が高く、九五%から九六%の精度を誇る。一方、韓国語から日本語に翻訳する「KJ」もことわざをクリアするところまできており、八割から九割近い水準にある。あわせてこれまでに韓日両国で三千本が普及している。

 こうした実績が「日韓の貿易の効率化をはじめとして様々な分野での国際業務の効率化に貢献した」と評価された。

 高基秀社長は、「社員からは社長の道楽とさえいわれた。使命感から長い間、研究開発に携わってきたが、評価されてうれしい」と話している。


■字幕瞬時翻訳技術に助成金も

 高電社では、新たにTVなどの字幕放送を瞬時に他国語に翻訳する技術の開発に取り組んでおり、日本郵政省の外郭団体「通信・放送機構」もこの研究開発に注目、九月十四日付けで「先進技術型研究開発助成金」の交付を決めた。

 今回の研究は約一億円近いプロジェクトになる。助成金は単年度で千二百九十万円、二年間で計二千五百八十万円が支給される。高電社では助成金をもとに開発を進め、三、四年後には製品化にこぎつけたい考えでいる。

 字幕放送はもともと聴覚障害をもつ視聴者のために開発・導入されたもの。NHKでは、お年寄りにも好評なことから、ドラマ、ドキュメント番組にも文字放送を増やしていく計画だ。

(1998.10.7 民団新聞)



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