民団新聞 MINDAN
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21世紀へ近くて近い関係構築

成果多大、歴史的な訪問
金大中大統領公式訪日



韓日共同宣言を交換し固い握手を交わす
金大中大統領(左)と小渕首相

地方参政権・早期実現を訴え

 国賓として七日から日本を訪問していた金大統領夫妻一行は十日、三泊四日の公式日程を終え、無事帰国した。金大統領は小渕恵三首相との首脳会談で共同宣言「二十一世紀に向けた新たな韓日パートナーシップ」とこれを具体化する「行動計画」に署名した。

 共同宣言では小渕首相が日本の植民地支配によって韓国国民に多大な損害と苦痛を与えたと、加害と被害の主体を明らかにし、「痛切な反省と心からのお詫び」を述べた。

 金大統領は日本側の歴史認識を評価し、韓日の過去に決着をつけるとともに未来志向の両国関係構築を強調した。両国首脳は在日韓国人が韓日交流の「架け橋」の役割を担うと認識を一致させ、これを受けて大統領は首脳会談や共同記者会見、国会演説など、あらゆる機会に地方参政権の早期実現を訴えた。

 金大統領は八日午前、小渕首相と首脳会談を行った後に迎賓館で記者会見に臨み、小渕首相とともに共同宣言「二十一世紀に向けた新たな韓日パートナーシップ」とこれを具体化させる「行動計画」に署名した。

 共同宣言の中で小渕首相は、日本の植民地支配により韓国国民に多大の損害と苦痛を与えたことについて、痛切な反省と心からのお詫びを述べた。

 金大統領は小渕首相の歴史認識の表明を評価し、今後の未来志向的な関係を発展させるために努力することが時代の要請であると表明した。

 また、北韓の問題については、韓半島エネルギー開発機構(KEDO)を現実的かつ効果的なメカニズムとして維持することを確認した。先のミサイル発射に関連して、北韓のミサイル開発が韓日のみならず北東アジア全体の平和と安全に悪影響を及ぼすとの意見を一致させ、両国が北韓に関する政策を進めていく上で緊密に連携し、種々のレベルで政策協議を強化することで合意した。

 未来志向の韓日関係を象徴する二〇〇二年のサッカーW杯の共催については、成功に向けた両国国民の協力支援し、文化及びスポーツ交流を一層活発化することとした。金大統領は段階的に日本文化を開放することを明らかにした。

 共同宣言で特筆すべきことは、両首脳が在日韓国人を両国国民の相互交流・相互理解のための架け橋的役割を果たすと認識していると謳ったことだ。在日韓国人の地位向上のために、引き続き協議を継続することで意見を一致させた上で、金大統領は「在日韓国人の地方参政権に前向きな検討を要望する」と会見場で表明した。

(1998.10.14 民団新聞)



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