民団新聞 MINDAN
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地方参政権実現、必ず

日本への要請約束
在日同胞と懇談会



金大中大統領と在日同胞との懇談会
(10月7日、ホテルニューオータニで)

 金大中大統領と在日同胞との懇談会が七日と九日、東京と大阪のホテルで開かれた。東京では約七百人、大阪でも七百人の同胞が集う中、金大統領は「在日同胞の半世紀の歴史はまさに韓国近代史のすべてといっても過言でない。このような歴史的背景を抱えながら、常に祖国を愛しながら生き抜いてきた在日同胞のみなさんが、韓日の架け橋的役割として不自由なく生きていけるよう地方参政権をはじめ待遇向上へ最大の努力をしていく」と約束した。

 関東地区を中心に東日本地区の同胞七百人が集って行われた七日の懇談会はまず、民団中央本部の辛容祥団長が歓迎のあいさつを行った。辛団長は「韓日首脳会談で二十一世紀に向けた未来志向的な新たな韓日関係が画期的に定立されることを期待しています」としながら、「大統領訪日が在日韓国人が名実ともに日本人と共生・共栄できる地方参政権獲得に大きな契機となることを信じて止みません」と述べた。

 この後、大統領が約四十分にわたって演説。金大統領はまず「私自身の苦しい時期に、みなさんが温かく支援してくれた。今、こうして大統領として来ることができたことに感謝する」と話した。

 大統領は続いて「在日七十万人の苦難の歴史の特別な背景を正しく認識している。日本社会で税金を払った分の権利や人権が守られ、地方参政権も得られるよう、日本側に強く要請していく」と語った。

 また、韓日両国の「過去の歴史」に関して、「五十年間の不幸な時のため、韓日千五百年の交流の歴史を台無しにすることはできない。過去を清算し、現在を見つめることで未来へのパートナーシップを築いていきたい」と述べ、未来志向の韓日関係を構築していく考えを強調した。

 さらに、「日本の指導者に対しては、過去を正しく見つめ、誤りを認める勇気をもってもらいたいと言ってきた」と語った。

 会場にはルポライターの金賛汀さん、舞踊家の白香珠さんなど朝鮮籍の文化人ら数人が招かれた。


大阪でも700人集い懇談会

 【大阪】九日に大阪市内のホテルで行われた在日同胞との懇談会には、関西をはじめ西日本地区の在日同胞七百人が参加した。

 冒頭、民団大阪府本部の洪性仁団長が「首脳会談をはじめ、国会演説、共同会見などでも地方参政権問題を強調していただいたことは、在日同胞に大きな勇気と希望になった」と歓迎のあいさつ。

 大統領は「本国が苦しいとき、常に在日同胞が愛国的な支援をしてくれたことを感謝している」と述べながら、在日韓国人信用組合問題について触れ、「大変苦しい状況にあるが、日本政府も関心を持って努力することを約束した」と報告した。

 また、二・三世たちの民族教育についても積極的に発言。「歴史と文化を学ぶために母国への修学を本国政府として温かく迎えたい」と述べた。

 大阪での懇談会にも詩人の金時鐘さん、大阪経済法科大講師の梁官洙さんら朝鮮籍同胞が招待された。

(1998.10.14 民団新聞)



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