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日仏米で活躍の在日作家4人が共同展示会

李禹煥、白南準氏らの40点



 在日、在米、在仏で活躍する四アーティストの作品を集めた展示会「駆けめぐる東方の夢」が十一月二日から八日まで、東京・銀座のアートミュージアム・ギンザで開かれる。

 同展示会は、世界的に高い評価を受けている在日同胞画家の李禹煥画伯、郭仁植画伯、在米のビデオ・アーティスト、白南準(ナム・ジュン・パイク)氏、在仏の金昌烈画伯の作品四十点が展示される。いずれも世界的に高い評価を受けている四氏の作品が一堂に展示されるのはめずらしい。

 五〇年代半ばに来日し、六〇年代から制作活動を始めた李画伯は、それまでの前衛的な美術とは違った美術志向を目指す「もの派」の中心的存在。六九年以降に本格的にはじめた評論活動にも評価が高い。

 今回は李画伯の七〇年代の中心作品「点と線シリーズ」の十二点をはじめ、九六年作の「コレスポンド」まで各時代の傾向を顕著に示す作品が展示される。

 また、東京ビエンナーレをはじめ、仏外務省主催の韓国現代展に招待出品するなど幅広い活躍で有名な郭画伯の作品も、七〇年代後半の代表作「ワークス」七点が展示される。塗り重ねた色の濃淡と透明感が象徴的な作品群となっている。

 一方、様々な物体と映像を組み合わせることによって独自の作品を作り上げたビデオ・アートの白氏の作品は、九〇年代に制作された八点が展示される。ビデオを使った作品およびパフォーマンスの分野では第一人者の一人として高い評価を受け、各国で個展が開かれている。

 アンティークのラジオ、スピーカーを自らの身体に見立てた「自画像」など三次元に表現された氏の美術世界が紹介される。フランス、ドイツ、イタリアなど欧州で評価の高い金画伯は、スーパーリアリズムの独自の作品を手がけてきた。

 二次元のキャンバスの中に疑似的な三次元を表現した「水滴」シリーズ四作品が展示される。あたかも流れ落ちようとする水滴の緊張感が画面を支配する作品となっている。

(1998.10.21 民団新聞)



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