民団新聞 MINDAN
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故郷の火、鹿児島の地へ
薩摩焼400年

南原で火、採沈壽官氏の手に



全羅北道南原市の蚊龍山山城跡で採火された「窯の火」を
火炉に移す陶工の子孫ら(10月19日午前)

 薩摩焼を興した陶工が韓半島から渡来して四百年になることを記念し、「窯の火」を日本に持ち帰るための採火式が十九日午前、韓国人陶工が住んでいたとされる韓国全羅北道南原市で行われ、当時の陶工の子孫である第十四代沈寿官氏らが参加した。

 同市の蛟竜山山城跡で午前九時から行われた採火式では、七人の仙女姿の女性が火打ち石を使って炭に「窯の火」を点火。火炉に移され、崔珍栄市長が、かつて陶工たちが身の上を嘆いたとされる「オノリラの塔」の前で第十四代沈寿官氏に手渡した。

 「窯の火」は陶工たちが日本に連行されたコース通り、釜山から韓国海洋大学の実習船で二十一日に鹿児島県串木野市に上陸した。

 陶工たちは最初は朝鮮の土や釉薬(ゆうやく)などを日本に持ち込んで作品を作った。この日の採火式は「窯の火」も祖先の地から持ち帰ろうというものだ。

(1998.10.21 民団新聞)



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