民団新聞 MINDAN
在日本大韓民国民団 民団新聞バックナンバー
新韓銀行
名実ともに韓国のリーディング・バンクに

羅応燦銀行長展望を聞く



「新韓銀行は韓国でもっとも信頼
されている銀行」と誇る羅銀行長

IMF後も信頼度ナンバー1


■ □ ■


発展の原動力は在日同胞の参与

 羅銀行長は同行の成長の秘訣を、「限りない愛情と関心を持って下さる在日同胞の大きな後ろ盾が土台になっている」と謝意を述べ、さらに「李煕健会長を先頭に在日同胞が株主群を形成し、銀行の実質的な舵取り役を担い、経営に対する責任が自然に造成され、経営に商業性をもたらす結果となった」と続けた。

 他行より先に責任経営の雰囲気が造られたのが、優秀銀行に成長した第一番目の秘訣で、顧客を満足させることを最優先する顧客満足経営と全職員が自然に共有する「新韓精神」も別の秘訣として挙げた。

 「新韓精神」とは、敢闘精神、主人意識、そしてチームワークに代表され、職員らが銀行のために献身的に尽くす雰囲気や失敗を恐れない果敢な挑戦意欲などが根本になっている。


■ □ ■


98年末業務利益は5千800億ウオン予想

 九八年上半期の業務利益は、前年同期の千九百五十三億ウォンに比して、六〇・九%増の三千百四十三億ウォンだ。ただし、上半期の決算で千五百九十五億ウォンの貸し倒れ引当金を積み立てても、なお二百八十八億ウォンの当期純利益をあげている。

 去年の下半期から韓国の大部分の銀行が、企業の不渡りで収益性が大きく悪化し、同行も例外ではなかったが、九七年十二月をピークに企業の月別不渡りの推移が急激に減少しており、特に同行の上半期の要注意以下の与信比率は、一五・一九%で他の銀行とは違い、一・四分期一六・二一%から一・〇二%が減少した。

 ただし、九月末をもって金融機関の第一次構造調整を終えながら、第三分類(不安兆候の見えるもの)以下の不健全与信の中、約五〇%に当たる八千五百二十七億ウォンを成業公社に売却することによって、第三分類以下の与信比率が六月末の六・二九%から二・八八%と下がり、健全性が画期的に向上した。

 一方、六月末に韓国金融史上初の不実銀行に対する業務停止及び閉鎖命令が下るや、顧客が優秀銀行を選択する現象が急速に現れ始めた。

 同行は国際的な信用評価機関であるMOODYから韓国政府と同じ等級の信用度のBa1を受け、BIS基準の自己資本比率においては、韓国の銀行の中で最高水準を保持した(九七年末一〇・二九%、九八年六月末十一・二一%)。

 最近、朝鮮日報は韓国を代表する金融専門家二十人に「預金したい銀行」に対するアンケート調査を実施したところ、同行がトップに選ばれたと報じた。経営方式、収益性、資本の健全性などが重視されたものと見られる。

 このような状況は、個人客の好感度を大きく高めることになった。同行には低コストの個人預金口座が最近大幅に開設され、営業内容の改善等により九八年末には五千八百億ウォンの業務利益が見込まれる。


■ □ ■


完璧な信用管理システムを構築

 同行は今年の初め、「中小企業支援第一位銀行」に選ばれた。これは韓国の中小企業庁及び中小企業協同組合が、千三百社の中小企業を対象とした国内二十六の一般銀行のサービス実態に対するアンケート調査の結果で、総合評価第一位を獲得したものだ。

 同行が最も自信を持ち、重点を置いている業務分野がこの中小企業である。この分野で引き続き成功を収めるためには、リスク管理体系を完備することが必須要件だが、同行ではすでに備えを終えている。

 最近、外国の専門機関と同行のタスクポスチームとが共同で開発した個人信用評価システムの導入やBCG(Boston Consulting Group)のコンサルティングを受けて開発した企業信用に対する信用評価制度を適用し、信用リスク管理システムが革新的に改善される見通しだ。

 特に個人の信用に対する信用評定制度の導入は、不良率を一五〜二〇%なくすことができると確認された。九九年上半期までに各営業部門で発生するリスクを統合・管理する統合リスク管理体制を完備する計画だ。

 この統合リスク管理体制が完備すれば、同行のリスク管理体制は先進国の優秀銀行の水準に達し、資産運用に大きな進展がもたらされると、羅銀行長は語る。


■ □ ■


専門性と効率性強化の組織改編

 この他にも、国際競争力の強化のため、四年前からBCGから経営全般にわたるコンサルティングを受け、これをもとに九八年二月、本部及び営業店組織を改編し、営業の専門性と効率性を高める一方、リスク管理を強化する体制を作った。

 本店組織は顧客中心の事業本部制度に改編する半面、本部別評価システムを導入して担当役員責任経営体制を築き、支店組織は店の性格により個人客専門店と複合店舗に専門化することで、効率性を高め、リスク管理体制を改善した。

 その上、本店の与信管理部を不良債権処理専門家集団に再編し、不良債権を各営業店から市場価格で集中的に回収し、与信プロセス等、各種業務手続きを改善して効率性を高めた。

 これからも効率性を高めることで競争力の確保を図り、経営システムを先進国型に転換する等、続けて構造調整を強力に推し進めていく計画だ。


■ □ ■


BW方式増資等で資本拡充

 羅銀行長は最も重要な課題は、目前に迫った有償増資をはじめとする資本の拡充だと言う。同行ではすでに九月十七日の理事会で資本の充実性を高めるため、韓国で初めてBW(新株引受権付社債)方式による千五百億ウォンの有償増資の実施を決議した。この増資には大多数の株主が引き受ける決定をしているので、成功裏に増資が行われるものと予想される。

 BW方式の増資とは、増資に加わった時、株式額面の株とともに新株式の二株を追加して、株式額面価で引受可能な新株引受付社債を一緒に受けられるもので、一株を引き受けた場合、引受株式の他に三カ月以後から五年以内に株価額面五千ウォンで二株を銀行から買い入れる権利を与える。増資後の同行の株価が八千ウォンとなった場合、BWによる二株一万ウォンで買い入れれば、時価に比べて六千ウォンの利益が生まれる。

 この計画は有償増資決議当時、同行の株価が外部状況より明らかに低く評価され、異常なほどに額面以下に落ちていたため、増資参加の株主に対し、別途のメリットを考慮する必要があったからだ。株価が額面以上に回復し、上昇すればする程、増資参加の株主が大きな利益を得られる方式を採択した。

 この増資決定以後、韓国の証券市場が好転する様相を見せ、同行の株価は引き続き上昇し、額面価格水準までに回復してきたので、増資の可能性はこれまでより高くなった。海外からの資本誘致も進行しつつある。

 同行では二〇〇二年までに上部の支配構造から下部の経営インフラにいたるまで先進化された経営システムを備え、二〇〇四年までには世界の先進銀行の水準の収益性と力量を備えた銀行として成長していく計画を立てている。

 在日同胞の株主が設立した当時の気持で力添えをしていただければ、株主、顧客、職員が創り出す三拍子の調和で、優秀銀行の道をしっかり登っていくと、羅銀行長は確信に満ちた表情で語った。

(1998.10.28 民団新聞)



この号のインデックスページへBackNumberインデックスページへ


民団に対するお問い合わせはこちらへ