民団新聞 MINDAN
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「違い」認めあえる社会に
横浜と湘南のコリアン文化研究会

韓国の絵本・民話を市民に紹介



絵本を手にする李禮子さん(中央)と
朗読する金順玉さん(左)

 【神奈川】平塚市の市民団体「コリアン文化研究会」(李禮子代表)が、「横浜コリアン文化研究会」(金順玉代表)とともに韓国の民話や歌、踊りの紹介を通して、異なる民族性の尊重を訴えている。主な活動舞台は地元の学校や公民館など。六月から本格的な取り組みを始めたばかりだが、口コミで評判が伝わり、すでに十九カ所でワークショップなどををこなした。

 二十四日は湘南コリアン文化研究会が横浜市海外交流協会の主催する「東アジア特集」に招かれ、横浜コリアン文化研究会の金順玉さんとともにワークショップ「コリアン文化と出会おう」に出演した。会場となった横浜市中央図書館会議室は、子どもから比較的年配の婦人まで幅広い年代層で埋まった。

 まず、李禮子さん(50)と金順玉さん(30)のチャンゴ合奏でにぎやかにオープニング。「故郷の春」をみんなで一緒に歌って会場が一体になったところで、韓国民話「コッカム・グア・ホランイ(干し柿と虎)」を韓国語と日本語で読み聞かせた。模造紙に描かれた絵は、湘南コリアン文化研究会メンバーの手作り。子どもばかりか大人も見入っていた。

 民話の読み聞かせに使う絵本にはこのほか「フンブとノルブ」がある。レパートリーは韓国もので十作品を数えるが、教材づくりが追い付かないでいる。このほか、みんなで踊りながら歌う「アプロ」の振り付けもメンバーが試行錯誤しながら考えだしたもの。

 最後に、李禮子さんはみんなを前に「違うって素敵!おもしろーい!」というメッセージを託す。民族的特性の違いを認め合い、共に生きられる社会を願って話す題材は、次男の被差別体験に根ざしている。

 最後はみんなで一緒にアリランと赤とんぼを合唱した。チマチョゴリとパジチョゴリの試着体験もあり、にぎやかに九十分のワークショップを終えた。

(1998.10.28 民団新聞)



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