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韓日相互理解 橋渡し役担い15年

韓日・日韓文化交流基金



15年を迎えた東京虎の門にある
日韓文化交流基金事務所

教職員・大学生=10年間で3000人派遣
韓国の研究者=毎年、30人以上招請

 韓日両国国民の学術、文化交流を橋渡しするため設立された日韓文化交流基金(熊谷直博理事長、東京都港区)が、十二月で発足十五周年を迎える。事業は韓日間での人的交流と助成に始まり、「日韓学術文化青少年交流事業」、「日韓平和友好交流計画事業」と着実に裾野を広げてきた。二十一世紀に向けた成熟した韓日関係を築いていくうえで、これからさらに大きな役割を果たしていくことになりそうだ。

 金大中大統領の積極的な対日外交の結果、両国は二十一世紀に向けた新たなパートナーシップを築いていくことになった。その実現のためには、両国国民の深い相互理解と多様な交流が欠かせない。こうした認識のもと、行動計画でも人的、文化的交流の増進がうたわれた。日本では、日韓文化交流基金がその一翼を担うとみられる。

 日韓文化交流基金は、日韓議員連盟と経済団体連合会が中心となり一九八三年十二月、日本外務省所管の公益法人として発足した。基本財産は四億円。年間予算の多くは日本外務省の拠出金で賄われている。

 設立当初から韓国の韓日文化交流基金と協力して学術会議の開催など韓日専門家の交流、文化交流事業に対する助成を行っている。こうした基本事業に加え、八九年からは「日韓学術文化青少年交流事業」、九五年には「日韓平和友好交流計画」をスタートさせた。いずれも韓日首脳会談の合意に基づく事業で日本外務省の委託を受けている。

 両国間の教職員・大学生を対象とした「日韓学術文化青少年交流事業」での訪日団はこの十年間で三千四百三十四人、同じく訪韓団は二千三百三十一人を数える。

 一方、「日韓平和友好交流計画」は、アジア近隣諸国との負の歴史を直視することを目的とした事業。韓国の若い研究者を対象者として初年度、二、三人で始まり、現在では年間三十人から四十人が日本の各研究機関でそれぞれのテーマに取り組んでいる。

 同様の趣旨に基づき、基金事務局付属の図書センターも九五年十月二日に開館した。現在、蔵書数は韓国語図書六千六百八十冊、日本語図書六千四十二冊、洋書七百七十七冊。将来的には合わせて二万冊以上に増やすことにしている。このほか新聞、雑誌、マイクロフイルム、ビデオ、CDなどを取り揃えている。開館以来の登録者は会社員、研究者、大学・大学院生など千百十二人に達した(九八年十月二十八日現在)。

 熊谷理事長は「青少年交流など、日韓文化交流基金でできるものは拡大していきたい」と意欲を燃やしている。問い合わせ先TEL03・5472・4323

(1998.11.04 民団新聞)



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