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地方参政権獲得運動
立法化へ陳情を強化

全国団長会議



地方参政権の立法化推進など
後半期活動を確認した全国団長会議

後半期の運動推進を確認
「学び働く」を継続へ

 九八年度後半期全国地方団長・中央傘下団体長会議が四日、中央会館で開かれ、主要運動・事業について前半期の報告と後半期の推進を示達した。

 辛容祥団長はあいさつで金大中大統領が訪日の際に地方参政権獲得運動や民族金融機関の強化に再三言及した点を高く評価し、「韓日・日韓議連での法制化決議や日本野党の法律案提出など、地方参政権運動は順調に進んでいる」と述べ、「民団の地道な運動が、ようやく国会での審議にまで導いた。今こそわれわれの努力が大事だ」と呼びかけた。このほか本国への経済支援を評価するともに、後半期も研修を柱に当面課題を推進していくことを確認した。

 後半期の運動と事業の推進のうち、地方参政権獲得運動は、九九年三月までを活動強化期間と決め、日本国会に提出された法案の早期実現に向けた陳情活動に全力を尽くすことを確認した。中央本部は日本政府、国会、各政党をはじめ、韓国政府、韓日議連に対応し、地方本部は地方選出国会議員、各政党の支部に陳情していく。中央と地方の運動を連動させ、総力を結集する。

 また、日本世論の高揚を図りながら、意見書を採択していない十六府県の採択を急ぐとともに、採択率が五〇%未満に低迷している地方本部のテコ入れを行うことにした。

 組織研修では前半期同様「学びながら活動する民団」のスローガンのもと、内外情勢や当面課題、在日同胞社会の統一問題を主なテーマに研修する。

 本国経済支援では、在日同胞の企業家を対象にした本国投資を促進するのをはじめ、年末年始や名節を利用した小規模の本国旅行と韓日親善関係者に広く観光誘致活動を展開することにした。また、歳末の相互扶助運動やお歳暮に、国産品愛用運動を展開していく。

 このほか、公務員採用の「国籍条項」撤廃、高齢者・障害者への給付金支給を柱とする生活権拡充運動の推進、講座制「民族大学」の第二期東京コリアンアカデミーの実施、KNTVの普及努力などを指示した。

 会議ではまた、「在外同胞の出入国と法的地位に関する特例法」について、民団が十余年にわって陳情してきた住民登録に代わる制度として位置づけ、在外国民の地位向上に寄与するものと評価した。しかし、在外国民と韓国系外国人を同じ法制度の中で処遇しようとする点に無理があると指摘している。


法制化へ拍車を
韓日首脳会談の成果生かそう

 会議は主要運動と事業の報告、次いで後半期の運動推進について黄迎満事務総長が説明した。地方参政権問題では、九月五日の第二十五次韓日・日韓議員連盟合同総会で韓国側が要求した「法制化に向けての努力」という文言が、共同声明で採択されたと評価した。

 さらに十月六日に日本の野党、新党平和・改革と民主党が「永住外国人に対する地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権等の付与に関する法律案」を衆議院に共同提出。民団の長年の要望に応えた法案提出を契機に、法制化に向けて超党派で対応することを強く望む半面、被選挙権が除外された点については、遺憾であるとして日本国内での論議拡散を期待するとの団の見解を確認した。

 地方参政権問題は金大中大統領の訪日を前後して、「追い風」が吹き始めたが、民団では大統領の訪日歓迎委員会を構成し、東京と大阪で懇談会を開いたのをはじめ、大統領が二十一世紀に向けた新しい韓日関係定立のために、両国首脳間の共同宣言や具体的な行動計画が出されるなど、訪日が多大な成果をもたらしたことで認識を一致した。

 特に、在日同胞を「韓日交流・理解の架け橋」と共同宣言の中で明文化し、在日同胞への地方参政権の早期実現を再三再四強調した金大統領の発言の"重み"が日本政府に波及し、野中官房長官が「実現へ努力したい」、西田自治大臣が「法制化を真剣に検討したい」と前向きな発言につながっていることから、法制化に拍車がかかっていることを再確認した。

 本国への経済支援では、本国の銀行の駐日支店への報告分によれば、今期(三月〜九月)は二万三千百二十二件、四百十億七千七百七万円を数え、これまでの累計では三万七千九百七十三件、六百五十六億七千五百四十七万一千円に達した(十月末現在)。

 また、権炳佑副団長が外貨支援運動の一環として本国の女性団体に呼びかけ、今年五月から実施している「国を救う汎国民貯蓄運動」も八月までに五百億ウオンを集めたことが報告された。このほか、円建ての国債購入では二十一億三千百九十七万円の実績をあげた。

 組織研修は前半期に二十五地方本部が実施し、千五百人以上の幹部が当面課題や幹部としての役割について、共通認識を深化させたと評価した。会議には兪宇公使らも参席した。

(1998.11.11 民団新聞)



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