民団新聞 MINDAN
在日本大韓民国民団 民団新聞バックナンバー
在日同胞の老人ホーム
故郷の家が法人化10周年

入居待ち152人も



色とりどりのチマ・チョゴリで盛装した
「故郷の家」のお年寄り同胞

 【大阪】大阪・堺市内の社会福祉法人「こころの家族」(尹基理事長)がこのほど創立十周年を迎えた。同法人は在日韓国人のための特別養護老人ホーム「故郷の家」の運営を担っている。入居者はいまのところ九十人で満杯。待機組は百五十二人を数える。

 「故郷の家」では、常時介護を必要としながら、自宅でのケアが困難なお年寄りを全国から受け入れている。部屋はオンドル式で、食事にはキムチも。韓国語の話せるスタッフをそろえるなど、在日同胞一世の立場に立ったサービスが、お年寄りたちの心のよりどころとなっている。

 尹理事長が俳優の菅原文太氏らの協力を得て、「在日韓国人老人ホームを作る会」を大阪で発足させたのは八五年二月のこと。八八年には「社会福祉法人こころの家族」としての認可を受け、翌年十一月に竣工した。九四年にはデイサービスセンターを併設。さらに九六年には故郷の家を増築して今日にいたっている。

 六日、同施設での記念式典であいさつした尹理事長は「堺市民や民団堺支部が『こころの家族』を柱となって支えてくれた」と讃え、国、民族、生活習慣の違いを超えて奉仕してきた職員やボランティアにも感謝の言葉を贈った。

 さらに、在日同胞社会における高齢者介護問題の実態に触れながら、東京、川崎、大阪、神戸、福岡など日本の主要十大都市にも同様の高齢者介護施設を設置していく必要があると訴えた。

 一方、「こころの家族」の運営は多くの善意で支えられているのが現状。財政問題は慢性的な悩みの種とあって、金重根後援会長からはさらなる支援の呼び掛けがあった。

(1998.11.11 民団新聞)



この号のインデックスページへBackNumberインデックスページへ


民団に対するお問い合わせはこちらへ