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民族色豊かにオリニの輪

民団や青年会がXマス会



■本名の名札胸に、ウリマルで合唱

 普段、同胞どうしや民族とのふれあいが極めて少ない在日同胞の子どもたちが民団の会館などで一堂に会し、本名使用や同胞の仲間との交流を―と今年も民団や青年会が中心となって、各地でオリニ(子ども)のクリスマス会が開かれている。

 各地とも、夏休みに実施したオリニサマーキャンプのアフターケアーも兼ねており、青年会のオッパ、オンニらがサンタクロースに扮しながら韓国語でのクリスマスソングや韓国の紙芝居、サムルノリなどを楽しみながら、同胞の絆を深めあった。


■サムルノリにちびっ子が挑戦

民俗楽器にチャレンジするオリニ(13日、大阪生野西支部で)

 【大阪】同胞がもっとも多く住む大阪の生野地区では十三日、生野西支部会館に児童百人が集い、オリニクリスマス会が開かれた。

 十数年前から韓国青年会生野地区協議会が主催しているもので、同地区では夏のオリニサマーキャンプを民団が主催、クリスマス会を青年会が主催している。

 オリニたちが本名の名札を胸に、愛国歌の斉唱でスタート。この後、民族色を多彩に取り入れたクリスマス会を楽しんだ。

 「きよしこの夜」など、おなじみのクリスマスソングを韓国語で合唱したあと、お弁当やお菓子で腹ごしらえし、青年会スタッフによるサムルノリの演奏、韓国の紙芝居、ゲームなどでにぎわいを見せた。

 とくにサムルノリの演奏後には楽器に触れるコーナーも設けられ、チャンゴ、ケンガリ、チン、プクといった打楽器の壮快な響きに「超すげえー」とオリニたちも目を丸くしていた。

 この後、サンタに扮した青年会のオッパ、オンニらとともに、この日習った韓国語のクリスマスソングを元気に合唱した。

 スタッフのほとんどが、かつての参加者であり、同事業が次世代たちの育成・発掘の場につなげているのが特徴だ。

 今年の実行委員長を務めた李泰寿君(22)もオリニ事業の"卒業生"で、「子どもの頃の思い出は一生忘れない。自然な雰囲気で民族と触れ、韓国人としての自覚を持つ機会になるでしょう」と話していた。

 青年会生野地協の事務局長でもある黄鍾守・青年会大阪生野東支部会長は「民団の会館を活用し、僕たちの後輩でもあるオリニたちが少しでも同胞や民族とふれあい、仲間としての輪が広がればうれしい」と期待を込めていた。


■ちびっ子のテコンドーも

ちびっ子テコンドーも登場し会場を沸かせた(12日、埼玉で)

 【埼玉】婦人会埼玉県本部(朴一凛会長)が主催しての今年で二回目のクリスマスパーテイーは十二日、浦和市内のホテルの一室で開催された。埼玉県全域から五十余りのオリニが参加、ちょっと早いクリスマス・イブを楽しんだ。

 会場の片隅には約二メートルのツリーを飾り、世話役の青年会メンバーもトナカイやサンタに扮して迎えた。これにはオリニも大喜び。一緒にクリスマスにちなんだクイズやビンゴ・ゲームを楽しんだ。

 また、民団川口支部のテコンドー教室に通うオリニ八人による模範演技も会場を盛り上げた。

 同本部では夏の林間学校も主催している。オリニの出会いの機会を増やしたいと、昨年からはクリスマス会も開催するようになった。

 朴会長は、「大きくなったら青年会に、そしてゆくゆくは将来の民団を背負っていってほしい。そのための基礎づくりと思っています」と期待をかけている。


■土曜学校で70人が参加

韓国の寸劇に釘付けになって楽しむオリニたち(12日、京都で)

 【京都】民団京都府本部(李愚京団長)が実施しているオリニ土曜学校でも十二日、京都韓国学校でクリスマス会が行われ、同教室に通う府内の同胞児童七十人が参加して楽しいひとときを過ごした。

 李団長は「民団とこの学校はみなさんのための施設です。みなさんが韓国人として誇りを持って育ってほしい。今日はたっぷり楽しんでください」とあいさつ。

 京都でもオリニ事業を経験してきた青年会のスタッフが中心となって進行し、青年会による韓国の寸劇や、「韓国語文字当てクイズ」などのゲームを楽しんだ後、おやつタイムに移った。

 この後、オリニたちは一人ひとりがキャンドルを持ちながら、「きよしこの夜」を韓国語で合唱。また、サンタに扮したスタッフから玩具などのプレゼントを手にオリニたちは笑顔たっぷりだった。


■都内でも青年会3支部で開催

 都内では青年会足立、江戸川、北の三支部が十三日、各民団支部で趣向をこらしたオリニ・クリスマス会を開いた。

 足立支部には六十人余りが参加、オモニらの見守るなか様々なゲームを楽しんだ。

 江戸川支部では在日韓国人としての意識付けをしようと、サンタに扮した青年会長が、この日参加した五十人あまりの子どもたちに簡単なウリマルのあいさつ言葉を教えながらプレゼントを配った。

 なお、北支部でも十五人のオリニが参加した。各自がウリマルの名札をつくって身に付け、ケーキづくりに挑戦した。

 【宮城】民団宮城県本部(朴鍾煥団長)では青年会宮城県本部(鄭宏行会長)が主管して十三日、同本部会館に県内の同胞児童六十人と、父兄、役員ら合わせて百余人が集まりオリニ・クリスマス会が行われた。

 朴団長が「元気なみなさんの顔を見てうれしい。サマーキャンプで知り合ったお友達の輪をもっともっと広げてください」とあいさつした。

 ケーキやフライドチキンなどの食事を味わった後、青年会のオッパ、オンニらの進行でゲームを楽しんだ。また、教育院の先生の指導で「きよしこの夜」「ジングルベル」などのクリスマスソングを韓国語で合唱した。

 最後に男子には玩具、女子にはキャラクターグッズなどのプレゼントが贈られた。


■今後も各地で

 オリニクリスマス会は今後も民団や青年会などが主催のもと、各地方で予定されている。今後の開催予定は次の通り。

 ▼三重・桑名支部=17日「同支部3階」▼広島=19日「本部会館」▼兵庫=20日「本部会館」▼大阪・福島支部=20日「同支部会館」▼神奈川=23日「本部会館」▼長崎=23日「諫早マリーンボウリング場」

(1998.12.16 民団新聞)



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