| 1200人の同胞が集い、地方参政権の実現へ 総力結集していくことを誓い合った、 民団中央・東京合同の新年会 |
民団中央本部は東京本部と合同で、一九九九年新年会を八日、東京・白金台の「八芳園」で開いた。全国の民団・傘下団体代表ら千二百人が会場を埋め尽くし、正念場を迎える地方参政権獲得運動をはじめ韓信協再編、二〇〇二年ワールドカップ(W杯)韓日共催への後援―などにむけ決意を新たにした。
民団主催の新年会がこれだけ大規模に開催された例はなく、さながら決起大会の様相を示した。日本側からも自民、民主、公明、自由、社民、改革ク、さきがけの各政党代表のほか、日韓協力委員会、日韓議連、日韓協などの関係者七十三人が駆け付け、民団に熱いエールを送った。
これまで民団中央本部の新年会は港区・南麻布の韓国中央会館で開催してきた。今年のように大規模な会場での開催は、現会館が竣工して以来、はじめて。
これは昨年秋、金大中大統領の訪日を機に、日本衆議院に民主、公明両党の地方参政権付与法案が提出されたことにより、今年初めて国会で論議されることが確実視されているため。
民団としては今年が「正念場」の年と認識。新年会を地方参政権獲得運動の新たな決意の場にしようとの試みだ。
会場には「地域住民である永住外国人に参政権を!」、「二〇〇二年W杯韓日共催を成功させよう!」の二つのスローガンが掲げられ、会のムードを盛り上げた。
所狭しと、ステージを千二百人が取り囲むなか、民団東京本部の夫昇培団長が力強く開会を宣言、続いて辛容祥民団中央本部団長があいさつに立った。
辛団長は地方参政権問題に触れ、「私たちの念願が実現される年となるよう、われわれも引き続き努力する。今年を地位向上の大きな前進の年にしよう」と高らかに呼び掛けた。
辛団長はまた、二〇〇二年W杯韓日共催にも言及、「今年を共催成功元年にしたい」と民団として在日韓国人後援会づくりに本格的に取り組む考えを明らかにしつつ、「天皇訪韓を心から歓迎する」と期待感を表明した。
続いて金ソッキュ駐日韓国大使が金大中大統領の新年辞を代読した。このあと、自民党の越智通雄衆議員、民主党の中野寛成代表代行、公明党の神崎武法代表、自由党の扇千景参議員会長、社民党の清水澄子副党首ら各政党代表や、新しく日韓協力委員会の会長に就任したばかりの中曽根康弘・元首相らが次々に登壇し、それぞれ祝辞。民団の地方参政権獲得運動やワールドカップ共催への雰囲気作りなどに熱いエールを送った。
この後、朴炳憲・民団中央本部常任顧問の音頭で、「新たな出発」を誓い合い乾杯した。二部では、新年を祝して、在日同胞のオペラ歌手、田月仙さんによるミニ・リサイタルも行われ、会場のムードを盛り上げた。
日本側議員が熱いエール 73人の議員が参席
| 新年会には各政党代表を始め、73人の議員が参席し、 地方参政権獲得運動に熱いエールを送った |
日韓心と心のつながりに尽力
■中曽根康弘衆議員(自民党、元首相・日韓協力委員会会長)
両国関係は民衆と民衆との提携、心と心のつながりが大切だと思う。政治は議員連盟が担うここととし、協力委員会では経済と文化と科学技術で思い切った前進を成し遂げられるよう余生を捧げたい。
今年こそ決着し天皇訪韓も
■越智通雄衆議員(自民党、日韓議員連盟常任幹事・元経済企画庁長官)
昨年を回顧したとき、三つのことがいえる。(1)韓国の経済危機にそれなりの協力をした。今後もお役に立ちたい(2)在日韓国人信用組合が日本国内で堅実に運営されるようお手伝いした(3)参政権が今日、かなり前向きになった。議連内部で議論してきたが、今年こそ決着しなければならない。
天皇訪韓はW杯共催の前、二〇〇〇年までの実現へ最大限の努力をしていきたい。本当の日韓新時代がそこから始まる。
初の法案提出、一層充実させる
■中野寛成衆議員(民主党代表代行)
昨年九月、ソウルで開かれた第二五次日韓・韓日議員連盟合同総会席上、「法制化に向けた努力」を明記するうえで一翼を担えた。公明党と衆議院に法律案も提出した。決して満足のいく内容ではないが、さらに充実させていきたい。
超党派協力で法制化めざす
■神崎武法衆議員(公明党代表)
在日韓国人など永住外国人の地方参政権について、昨年秋、民主党と共に法案を提出した。各党の協力さえあれば法制化は可能だ。本年中に実現したい。
地域新振興券についても総理にお願いした。小さなことでもきちんと実現している。
民間レベルの交流で共生へ
■扇千景参議員(自由党参議院会長)
金大中大統領訪日時の国会演説に感銘を受けた。二〇〇二年W杯共催に向けて、スポーツや文化といった民間レベルで緊密な関係を築くよう努力をしていきたい。お隣同士でよかったと思える関係を目指す。
権利獲得へ努力したい
■清水澄子参議員(社民党副党首)
「共同宣言」をどう具体化していくのかー政治家に課せられた課題だ。過去を直視し、歴史を恐れる勇気を持つことを深く肝に命じ、本当の意味の日韓友好関係を築いていきたい。過去を直視することなく未来を展望するのは不可能。皆さんが安心して、民族のプライドをもって暮らしていける市民的権利を獲得していけるよう努力する。
(1999.01.13 民団新聞)
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