民団新聞 MINDAN
在日本大韓民国民団 民団新聞バックナンバー
正確な発音や表現をアドバイス

韓国語講師の悩みに答えます
「専門研究会」が発足へ



■金東俊氏が発起人に

 日本の一般語学学校のみならず公・私立の中・高・大学で様々な形態の韓国語教育が年々広がりを見せているが、欧米語や中国語などに比べて韓国語教育に関する研究や参考書はまだまだ不十分な状況にある。  このような中で韓国語教育に携わる日本人、在日同胞教師らのための研究会および交流会が二十八日に発足する。発起人は韓国語教育に携わって四十年以上の経験を持つ金東俊・神田外語大学名誉教授。発足後は定期的に実践的な研究会を開き、正しい韓国語の普及を目指していく。


■専門家が呼びかけ、定期開催へ

 韓国語教育研究会は、韓国語教育に携わる教師たちのレベルアップと相互の交流を図ろうというもの。

 日本の言語学校および公・私立中・高・大学の韓国語教育は、生徒の年齢や職業、学習目的、環境などが多種多様な中で実施されている。その上、カリキュラム編成から教科書、教材にいたるまで、ほとんど一人の教師が準備しなければならない状況に置かれている。

 教師自身も、日本や韓国にある教育施設で韓国語を学んだ日本人、在日同胞が多く、教える側の言語教育者としての教育課程を体得している人は極わずか。韓国語を教えていく上で、どのような学習方法がより良いのか、どのような表現方法が現在の韓国で使われているのか、など聞きたくても聞く場所が無く、一人で悩みながら自己学習に身を削っている例も少なくないという。


■講師のレベルアップも図る

 東京を中心に韓国語教育に携わっている金名誉教授が「教師自身がレベルアップできる研究会を」と相談を持ちかけられたことから研究会の構想が始まった。

 研究会は昨年数カ所で行われ、教師たちに横のつながりを持たせてきた。今回の研究会は、交流会をより発展させ、実践的な言語研究に取り組む。韓国語の実践的表現方法や教授方法、発音など教師として身につけておかなければならない研究発表が行われる。

 すでに、韓国国内で外国人の韓国語教育に関わる人や日本の大学の非常勤講師など多数の申し込みがあるという。


■血となり骨となる研究会に

 金名誉教授は、一九五三年に韓国の高校国語教員になって以来四十六年間にわたり韓国語の教育・普及に携わってきた。神田外語大学の教授を経て現在は青峰国際教育振興財団専務理事も勤める。「韓国語の教育に関わる人にとって、血となり肉となる研究会にしたい」と意欲的だ。

 また近年、朝鮮総連出身者の韓国語人気が高くなっている事実を踏まえて、国籍を問わずに参加者をつのっていく。

 研究会への参加は、国籍、年齢、学歴を問わない。参加費は千円。当日は金名誉教授が「外国語習得と母語の干渉―発音、語彙、文法、待遇法などの日本語と韓国語を対照しながら」について研究発表する。会場は、東京・西新宿の国際文化フォーラム会議室、午後一時から。問い合わせは国際文化フォーラム内「韓国語教育研究会」、03(5322)5211へ。

(1999.02.17 民団新聞)



この号のインデックスページへBackNumberインデックスページへ


民団に対するお問い合わせはこちらへ