民団新聞 MINDAN
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読者と共に新聞作り



 報道とは「多くの人びとに影響力のある問題を広く知らせる」ことだという。ただし、何を知らせるかは何重もの選択が加わる。選択のない報道など本来ありえない。

 一般紙は不偏不党、つまり、あらゆる立場の人びとのために、問題を選択・報道することを使命としている。これは、ともすると「あらゆる立場にとってどうでもいいニュース」にもなりかねない。

 この点、機関紙は意識的に「取り上げる」「取り上げない」というニュースの選別基準は明快だ。本紙であれば、主な「知らせる」対象は、在日同胞といっていいだろう。在日同胞を主な対象にするが、日本社会や本国に対しても組織としての立場を主張する。

 しかし、一方的な「お知らせ」の発信源だけでは、読者からそっぽを向かれることになりかねないだけに悩ましいところだ。

 先輩に、酒席の場で、機関紙のあるべき方向について聞いたことがある。先輩は、「機関紙らしくない機関紙を目指すべきだ」という。機関紙としての基本から大きく逸脱することなく、しかも一般紙らしい方向も目指そうというもので説得力があった。

 私自身はここにもう一つ「原点は読者」であるという一項目を付け加えることにした。情報の一方的な送り手に陥らず、地域の読者からの意見や要望を広く聞く。

 もう一つ、読者の一番喜ぶもの、求めているものを常に考える。本紙が今年の年頭にかかげたモットーはスピード、スマート、メジャーのS・S・M。早くて、いいもの、しかも影響力のある新聞を作ろうというもの。読者から掛け声だおれだといわれないようにしたい。(K)

(1999.02.24 民団新聞)



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