 | 同胞社会の和合や地方参政権法制化へ
全力傾注を誓った３・１節記念式典（韓国中央会館で） |
■「和合」と「共生」を誓う
日帝植民地支配からの解放を訴え、韓国全土で「独立万歳」の叫びを広げた、三・一独立運動から八十周年を迎えた一日、民団では全国の地方本部で「三・一節記念式典」が開かれた。東京では中央会館で東京本部（夫昇培団長）主管の「中央式典」が行われ、（１）朝鮮総連との交流と和合推進（２）共生共栄の姿勢で地方参政権の法制化実現へ全力傾注（３）民族金融機関の育成と再編（４）韓日が共催する二〇〇二年ワールドカップ（Ｗ杯）成功への後援活動展開―など、六項目を決議した。（５面に関連記事）
中央会館で開かれた中央記念式典には、中央本部と地元東京本部の民団幹部や傘下団体役員ら二百余人が参集した。民団東京本部の夫団長は、「三・一精神を今日に生かし、民団の課題遂行へ総力結集しよう」と開会辞で呼びかけた。
つづいて、駐日大使館の兪炳宇公使が、金大中大統領の記念辞を代読。「第二の建国運動」を掲げる金大中大統領は、「南北離散家族再会が一日も早く実現することを願う」と国民に呼びかけ、人道問題を軸にした南北当局者対話に意欲を示した。（大統領の記念辞別掲）
■韓信協育成やＷ杯後援も
式典は東京本部の金龍涛副団長が「乙未独立宣言書」を高らかに読み上げた後、中央本部の辛容祥団長（金宰淑副団長代読）があいさつ。辛団長は「在日同胞の立場で朝鮮総連との交流と和合を繰広げ、まず在日同胞が一つになるよう、祖国統一の先鋒隊になろう」とし、「権益擁護運動の集大成ともいうべき地方参政権の実現へ今年中には法制化されるよう全力を尽くそう」と訴えた。（全文別掲）
この後、（１）三・一の精神を継承し朝鮮総連との交流と和合へ尽力（２）共生共栄する地域住民として地方参政権の法制化実現へ全力傾注（３）祖国の経済難局克服へ愛国心を発揮し継続支援（４）在日同胞経済活動の血脈と土台である民族金融機関の育成に尽力（５）二〇〇二年Ｗ杯成功へ民間次元の多角的な後援事業展開（６）韓日パートナーシップ構築への架け橋的役割を担う―の六項目を決議した。
■新たな決意でシュプレヒコール
式典のしめくくりとして青年会の先導で参加者全員が立ち上がり、「地方参政権法制化へ全力傾注しよう」「同胞社会の交流・和合を成し遂げよう」など、新たな決意をシュプレヒコールした。
■各地方でも団員ら決起
日帝支配からの独立を訴え、わが民族に大きな勇気を与えた一九一年の三・一独立運動を記念する式典が一日、全国各地の民団でも一斉に開かれた。式典は、日帝の厳しい弾圧の中で立ち上がった抗日闘争人士たちをはじめ燎原の火のように各地で立ち上がった民衆たちの思いに心をはせながら、韓国の独立運動史に残る三・一運動を改めて評価した。
■大阪、６００人結集
【大阪】民団大阪府本部（洪性仁団長）に六百人が参加した。駐大阪韓国総領事館の崔副総領事、在日韓国人信用組合協会から李煕健会長が出席した。
洪団長は「私たちは五千年の歴史をもつ悠久なる民族だ。自負心を確固たるものにし、新国家建設のための隊列に参与しよう」と呼び掛けた。会場に参加していた金剛学園の小学校五年生生徒三十人が「三・一節」の歌を披露、参加者とともに合唱した。
■ヴェルディ・李国秀監督の激励会も
【神奈川】民団神奈川県本部（金洪斤団長）では、大和支部の尹済栄支団長が「独立宣言書」を朗読し、金団長が記念辞で「本部・支部会館保全のために、継続してＮＰＯ法人化を求める」と挨拶した。
二部ではサッカーの二〇〇二年ワールドカップ（Ｗ杯）韓日共催支援の一環として、Ｊリーグヴェルディ川崎の李国秀総監督を囲む会を開き、金団長が地元横浜出身の李総監督に「在日同胞と神奈川県民のために活躍を」と激励した。同胞の声援を求めた李総監督に、金団長から記念品が贈られ、李総監督はサッカーボールにサインで応えた。
■元勤労挺身隊のハルモニも参加
【愛知】民団愛知県本部（権泰洙団長）でも愛知勤労会館で団員らはじめ鄭燦源駐名古屋総領事ら三百余人が参加して記念式が開かれた。
決議文採択後、名古屋地裁に提訴するために来日していた三菱重工名古屋航空機製作所道徳工場に強制徴用された元女子勤労挺身隊のハルモニ五人も参加した。また自民党木村隆秀衆議院議員ら日本の国会議員も参席した。
■北韓のビデオ上映も
【宮城】民団宮城県本部（朴鍾煥団長）の式典には、県内の団員ら百二十余人が参加して民団県本部会館で行われた。黄圭政駐仙台総領事が大統領記念辞を、朴団長が中央団長慶祝辞を代読した。
【広島】民団広島県本部（朴義鍾団長）の式典は、ソウ圭泰駐広島総領事はじめ百余人の団員らが参加して開かれた。
【福岡】民団福岡県本部（宣虎采団長）の式典も徐賢燮駐福岡総領事はじめ団員ら百二十余人が参加して福岡商銀本店会館で開催された。北韓情勢を知るためのビデオが上映された。
【香川】民団香川県本部（朴鍾国団長）も管内団員ら三十八人が参加して開かれ、朴団長が大統領慶祝辞を、ソウ義雄観察委員長が中央団長慶祝辞を代読した。
（1999.03.03 民団新聞）
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