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韓国語教育者のネットワーク化へ

韓国語文研究会が発足



北海道から広島まで70余人の
韓国語講師が参加した第1回研究会

■正しい発音は?どう教えるの?

 正確な発音を教えたい、どのように指導すれば理解しやすく教えられるだろうか―。このような質問に答えようと、長年韓国語普及に携わる金東俊・神田外語大名誉教授が呼びかけた専門的な「韓国語文研究会」(仮称)が二月二十八日に東京で産声を上げたが、予想を大幅に上回る七十余人の韓国語指導者らが参加した。会は今後、二カ月に一回開催され、韓国語教育に携わる講師向けの研究発表が行われる。また、会員向けの電話とFAXを使った質問ホットラインが開設され、参加者の注目を集めた。


■悩み持つ教師ら熱い視線

 日本国内で韓国語を指導する講師たちの多くは、韓国語を知ってはいても、教える側の教育を受けていない場合が多い。特に、韓国語より母音が少ない日本語を母語とする人たちに、正確な発音を教えるのは本人自身が正確に発音できなければ困難を伴う。

 また、感覚的に覚えているだけでは教育としては不十分で、国際音声学にのっとった教育も必要になってくる。金名誉教授が研究会の発足を思い立ったのも、多くの韓国語教師から体系的な教育方法を問いかけられたためだ。


■質問ホットラインを設置

 当初、東京を中心に三十人ほどの参加を見込んでいたが、ふたを開けてみれば北は北海道、西は広島から七十余人が駆けつけた。教師たち自身が同様の悩みを持っていたということだろう。日本の公共施設や高校、大学、私設語学学校など、各地域・レベルで韓国語を教えている在日韓国人、本国からの留学生、日本人らが参加した。

 公共文化施設で教える同胞女性は「外国語としてハングルを教えた経験がないので、日本語学校や他の韓国語講座に出向いて教授方法を学んでいた」と苦労を話した。日本の高校で教える日本人教師は「スタンダードな発音、教授法を質問できるところがないか、常日頃から考えていた」と研究会の趣旨がぴったり合致したという。


■今後、年6回定期開催

 日本語には無い合成子音の発音をどのように教えたらよいのかと質問を投げかけた崔順姫さん(所沢市)も会の趣旨に全面的に賛同していた。二カ所の高校で講義を持つ金京子さんも「どのように教えたらよいのか、最初は半分ノイローゼになった。日本語と照らし合わせて韓国語の発音がどのように違うのかという講義は専門的ですごく良かった」という。根岸高校でハングルを教える山下誠教諭も「漠然と知っていたことが明確に裏打ちされた。思い違いをしていた部分も講義を聞いてわかった」と手放しで喜んでいた。

 広島の柳春子さんや大阪の全勝江さんは日帰りでの参加だったが、往復交通費をかけても毎回参加する、と意欲的だった。

 研究会は今後、二カ月に一度開催し、会員に限って金名誉教授が直接電話で質問に応じる「韓国語ホットライン」を設けたり、FAXでも質問を受け付ける。また、オープンな会にするために、国籍、年齢、学歴など参加資格は一切問わない。

 次回は四月十八日を予定している。問い合わせは財団法人・国際文化フォーラム内「韓国語文研究会」、03(5322)5211、FAX03(5322)5215へ。

(1999.03.03 民団新聞)



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