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− ミス在日代表「真」の姜雅美さん −



 四月十六日に行われたミスコリア・日本代表選抜大会で一位の「真」に選ばれた姜雅美さん(22・東京都渋谷区)は、日本人の父と韓国人の母の間に生まれた在日二世。キムチ・チゲが大好物の雅美さんは、韓日の架け橋的役割を担う歌手をめざしている。「ミス在日同胞、そして韓国人としてのプライドをしっかり持ちたい」と頼もしい姿を見せてくれた。


■韓日の架け橋になりたい
 夢の歌手デビューへ特訓中

 「若いときの思い出に、と母が勧めたミスコリア・在日同胞選抜大会に出場でき、在日韓国人の一人としてこの舞台に立てたことは大きな誇りです」。

 日本人の父、韓国人の母親の間で生まれた雅美さんは日本籍だ。しかし、雅美さんは幼いころから「韓国人」としての誇りを植え付けられた。

 母は年に数度、祖父母の住むソウルに連れていき、また、中学生の二年間はソウルの「日本人学校」に留学し、韓国語をマスターした。

 そして、日本に帰ってきてからも「私は韓国人よ」とクラスメートに明かし、韓国人としてのプライドを持ち続けていた。

 そのため、家での食事はほとんどが韓国料理で、キムチの味にもうるさい。


◆◇〜◇◆

 本名は新橋雅美。ミスコリアで初めて姜雅美(カン・アミ)という民族名を使用した。

 二位「善」の呉知宣さん、三位「美」の金亜瑛さんとともに、ミスコリア・本選のため、五月二日から韓国入りし、三週間にわたる合宿に参加する。期間中は当然、「カン・アミ」という民族名で生活をする。

 「カン・アミという響きがすごく可愛いし、うれしかった。愛着も生まれるだろうし、日本に帰ってきてからも機会があれば使っていきたい」とすっかりお気に入りの雅美さん。

 「ソウルでの本選に出場することは緊張もあるけど、母国の大舞台に立てるという栄光で胸がワクワクする。在日代表として恥じないよう、がんばります」と頼もしい。

 「韓国各地のミス代表が一堂に会するのですから、みんなと仲良くなり一人でも多くの友達を作りたい。そして、『在日同胞』の実状なども説明し、母国と在日と日本の架け橋的役割も果たしてきたい」。


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 同胞の仲間を作ることが楽しみという雅美さんは、「日本に戻ってきたら民団の様々なイベントに参加したい」と意欲的。

 中学時代はバスケットボール部で活躍。そして今は、ボディボード、スノーボードを楽むスポーツギャル。

 「どういうわけかこの一年間は休んでたの。そのおかげで今はすっかり肌は白いでしょ。ミスコリアに出なさいと天が与えた運命でしょうか。今度は韓国の海と山をたっぷり楽しみたい」と何事もプラス思考に変えてしまう。


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 雅美さんは現在、歌手をめざしてレッスン中で、近く日本でデビューする予定。

 父は十三年前に亡くなり、母親一人の手で育った雅美さんだが、姉妹のように一緒にカラオケにも行くほどの仲良し。

 子どものころ、ハルモニに子守歌代わりに聞かされた、『洛東江』の歌を二人で歌うのが楽しみだ。

 「日本の芸能界には多くの在日が活躍していますが、ほとんどが隠している。そんなの許せません。私は歌手デビューしても『韓国人です』と堂々と宣言します。そして、日本と韓国で活躍したい」。

 雅美さんの夢は韓日の架け橋的役割を担う歌手だ。

 「ソウルに行ったらまず、ハルモニの作ってくれたキムチチャーハンとプルコギが食べたい」と、さわやかな笑顔の中にも民族のプライドをうかがわせるミスコリア在日代表「真」の活躍を期待したい。

(1999.04.28 民団新聞)



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