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「母国体感」今年も実施

母国夏季学校の参加者募集中



7月30日〜9泊10日間

■仲間づくりにも一役

 在日同胞の中・高校生を対象にした母国夏季学校が今年も7月30日から九泊10日の日程で実施される。各地民団では一斉に募集を開始した。今年で34年目を迎えた同事業は、夏休み期間を利用して母国を訪問し、歴史や伝統文化などの学習と同時に産業視察など本国を肌で感じる「体験民族教育」とも言える企画で、例年全国から200人以上が参加する人気企画となっている。同世代の仲間が出会える場としても絶好のチャンスで、すでに1万5324人(春季学校含む)が参加している。

 日常的に同胞とのつながりが薄く、同胞の友人がいない、あるいは少ないといった在日同胞2・三世たちに、本国での研修を通じて民族的な素養を培ってもらい、同時に多くの同胞と親しくなることによって同世代の絆を深めて欲しいというのが夏季学校の趣旨。多感な時期に韓国を肌で触れてもらおうというものだ。韓日国交正常化後の1966年に開始され、今年で34年の歴史を誇る。


■在日中・高校生を募集

 今年は7月30日に全国から出発し、九泊10日の日程で韓国を「知る」カリキュラムが組まれている。期間中、韓国語学習をはじめ様々な文化伝統を学ぶが、堅苦しい事業ではなく、あくまで参加者に興味を持ってもらおうという内容となっている。

 また民俗博物館や国楽博物館をはじめ朝鮮朝の王宮などの見学を通じて韓国の伝統と歴史を知る。期間中、2泊3日で古都・慶州をめぐり、先人たちが残した歴史的な文化財見学や浦項製鉄所、現代自動車など現在の発展を主導した産業の視察も行われる。

 一方、厳しい南北分断の状況を知るために南侵トンネルや一線地帯を訪れる。

 このような学習、産業視察などで韓国の現状を知ると同時に、夏季学校で主催者が願うのは、より多くの同胞青年との交流だ。特に同胞過疎地域に居住する青年たちが例年「こんなにたくさんの仲間がいた。心強い限り」というように同胞の仲間づくりに比重を置いている。夏季学校修了直前にはほとんどの参加者が再会を約束して別れるなど、短期間ながら同胞の絆が生まれるようだ。

 参加費用(航空費、宿泊費、現地経費などすべて含む)は出発地域によって航空料金に差があるために異なるが、民団が重視している事業であるために中央本部、地方本部、支部が援助する。このため韓国に最も近い福岡からの出発が約5万5000円、最も遠い札幌からが約9万5000円となっている。

 参加に関する問い合わせは最寄りの民団本部、支部または中央本部文教局、03(3454)4615へ。募集締め切りは7月5日。

(1999.06.16 民団新聞)



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