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多彩な旋律でアリラン

在日文芸協が「芸術の夕べ」



豪華なステージとなった「芸術の夕べ」

 在日韓国人文化芸術協会(河正雄会長)が5月29日から連続して開催している「在日韓国人文化芸術の夕べ」のメーンステージ「アリランの源流を探して…」が12日、東京・新宿の朝日生命ホールで開かれた。会場には在日同胞はじめ韓国に関心ある日本市民ら六百余人が詰めかけた。

 韓国を代表する歌・アリランは各地方によって様々な旋律を奏でる。アリランの原形と言われる旌善(チョンソン)アリランをはじめ江原道、慶尚道、密陽、永川など各地のアリランがチェウニ、貴羅、白玉仙らの同胞歌手によって紹介された。

 一般的にもの悲しい旋律のアリランだが、陽気な密陽アリランや演歌、シャンソン風にアレンジされたアリランも紹介され、会場からは「こんなに沢山のアリランを聞いたのは初めて」などの声が聞かれた。

 曲間には金順子韓国舞踊団による伝統舞踊が披露された。また、宋富子さんは、自らが生きてきた過程をもとに、多くの在日同胞が歩んできた苦難の道を1人芝居で紹介した。

 圧巻はマルセ太郎さんの「寄席芸」。サル以上にサルを演じると言われたマルセさんの十八番に会場は沸きに沸いた。観察眼の鋭さと豊かな表現力で観衆を魅了した。また、昨年初めて韓国を訪問した際のエピソードを交えるなど在日文芸協ならではのトークも行われた。

 特に、日本人の遠慮という部分の表現が韓国では理解されなかったことについて「韓国には遠慮する人がいないんだ」と会場を笑わせるなど、在日と本国、日本の文化的違いも表現した。

 文化芸術の夕べは、19日に記録映画『在日』上映会、26日にマルセ太郎さんの1人芝居「スクリーンのない映画館『泥の川』」、7月3日には鄭明子韓国舞踊団「1000年の舞」が公演される。

 会場はいずれも東京・水道橋の在日韓国YMCAスペースワイ文化センター。問い合わせは文芸協事務局、03(3359)3212へ。

(1999.06.16 民団新聞)



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