 | 老若男女の同胞が学び語り合う場となっている民族大学
（写真は９３年の大阪教室） |
□■共生テーマの講座も■□
民族史や文化、在日同胞の諸問題などを体系的に学ぶ、「在日同胞の学び語り合う場」、講座制「民族大学」の地方教室が７月１０日の長野を皮切りに今年は７地方で開講されることになった。各地方とも一講座当たり１０００円と格安。高校生以上であれば誰でも受講対象で、高校生からハラボジ、ハルモニまで、老若男女の同胞が机をともにし、"民族"を学びあう場として各地方では一人でも多くの受講を呼びかけている。
新しい民族社会教育の一環として９３年、大阪を皮切りにスタートした。その後東京、愛知、兵庫、京都など１７地方で開講され、これまで約３５００人の同胞が受講している。
昨年からは初の常設教室として、東京韓国学校内に「東京コリアンアカデミー」が設けられ、韓国の歴史、文化のほか、韓国語講座も加わった。在日同胞だけでなく、日本市民の受講も多く、在日韓国人と日本人市民が共に学び語り合う「共生」の場にもなっている。
今年は、長野を皮切りに、広島、愛知、兵庫で地方教室を開講するほか、関西常設教室への試みとして、大阪に「大阪コリアンアカデミー」が１０月に開設する予定で、東京も１０月に３期目を開講する。
□■まず長野でスタート■□
■長野教室
今年、全国の先陣を切って開講するのが長野教室で、７月１０日に民団本部の講堂でスタートする。
１２月までの５カ月間、毎月第２土曜日の午後２時から午後６時までの４時間、毎回２講座ずつ全１０講座が組み込まれている。
カリキュラムは「在日にとっての母国の歴史」（李進煕教授）を皮切りに、「江華島条約と韓国併合」（姜徳相教授）、第２回目の９月１１日が「在日同胞社会の歩みと現況」（金英達教授）、「在日文化論」（安宇植教授）、第３回目の１０月９日は「歴史から見た女性史」（鄭早苗教授）、「在日商工人の現状と将来」（全在紋教授）、第４回目の１１月１３日が「在日同胞の法的地位１・２」（金敬得弁護士）、最終日の１２月１１日は「在日同胞社会の分断史と今後」（金総領氏）が行われる。
受講料は１講座あたり１０００円で、全１０講座で１万円。
問い合わせは０２６３（３３）６８５８ 民団長野本部。
■広島教室
９４年以来、二度目の開講となる広島教室は７月１７日にスタートする。毎月第二土曜日に講座を行う広島教室は在日同胞史、韓国の古代史、近代史をはじめ、地域の特色を生かした「広島の大陸との交流」など全十二講座を予定している。
問い合わせは０８２（２６４）２３４５ 民団広島本部。
■愛知教室
愛知教室は９月４日にスタートする。９４年以来２度目の「民族大学」開講となるが、今回は１０講座のカリキュラムを組み込んだ。
姜在彦教授、李進煕教授、姜徳相教授などによる在日と韓国の歴史をはじめ、李鍾元教授による「本国政府の在日政策」や、地元の講師による地域同胞史も予定している。
来年２月まで、第１、３土曜、月２回のペースで講座が行われる。
問い合わせは０５２（４５２）６４３１ 民団愛知本部。
■神奈川教室
神奈川教室も９４年９月以来、２度目の「民族大学」開講となるが、今年、民団神奈川本部が「民団国際協力センター」として神奈川県からＮＰＯ法人（特定非営利活動法人）の認可を受けたことを契機に、同胞だけでなく、地域市民らにも講座受講の募集を働きかけていく。
９月１１日に開講式を行い、第２、４土曜日の月２回開講する。カリキュラムは全十講座。他の地方教室同様、在日同胞史や韓国の歴史が組まれているが、地元川崎市の小学校教諭、尹照子さんを講師に「体験を通じて考える本名問題」や、神奈川県関係者を招いて「県の国際化推進と課題」、県教職員組合関係者による「公教育における民族教育」など、「多文化共生社会」をテーマにした講座が特徴だ。
問い合わせは０４５（３１６）０８１５ 民団神奈川本部。
■兵庫教室
兵庫教室も秋に開講する予定。歴史や文化、在日同胞の法的地位、民族教育など全十講座で、毎月２回のペースで講座が行われる。 問い合わせは０７８（３７１）３０１０ 民団兵庫本部。
■大阪コリアン・アカデミー
全国で初めて「民族大学」を開講した大阪では、１０月に関西地区初の常設教室設置に向けた、「大阪コリアンアカデミー」を開講する。
カリキュラムは全１０講座を予定しており、毎週土曜日に授業を行う予定だ。
９３年、全国で初めて「民族大学」を開講した時は、４００人以上の同胞が受講した実績がある。今回の講座開設を契機に常設化を推進していく方針だ。
問い合わせは０６（６３７１）７３３１ 民団大阪本部。
■東京コリアン・アカデミー
東京は昨年、常設教室として「東京コリアンアカデミー」を開設。民族教育の殿堂でもある東京韓国学校の校舎を活用し、１０月に第３期（韓国語講座は第四期）を開講する計画だ。
同胞だけでなく日本人市民も受講しており、「韓日理解」への場にもなりつつある。
問い合わせは０３（３４５４）４７１１ 民団東京本部。
（1999.06.30 民団新聞）
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