海や山でわんぱく満喫

今年も各地でオリニたちの元気な姿が見られそうだ （写真は一昨年の奈良の林間学校で）

　夏休みは同胞児童がひとつになって、同胞どうしの連帯を深めよう！今年も民団、青年会などが主催のもと、夏休みを利用したオリニ（子ども）のサマーキャンプ（林間・臨海学校）が全国で開催される。同胞子弟の民族教育の一環として各地方が３０数年前から開始している同事業は夏の恒例事業としてすっかり定着。今年も四十数カ所で予定している。海や山でのキャンプが中心だが、母国を訪問するケースや、支部会館を活用して韓国語や韓国の歌などを習う「オリニ夏季学校」など、各地方は様々な趣向を凝らしている。

　今年、オリニの臨海・林間学校の開催が決まっているのは、民団や傘下団体が３５カ所。計画中もあわせると４０カ所以上となる。海や山での２泊３日や１泊２日のキャンプが多く、民団本部や支部のほか、婦人会や青年会などの傘下団体が主催または主管している。

■同胞児童集いの場

　参加対象者は児童が中心だが、幼児から２世の父母までと、開催地域によって幅広いのが特徴。民族や同胞とのふれあいが極めて少ないのが現状の中、幼少期の頃から同胞どうしが集い、本名を使用しながら民族素養を植え付けようと言うのが大きな目的だ。

　３０年以上継続されてきた民団の事業だけに、各地方の指導員の多くは、かつて参加した"卒業生"だ。

　各地方は民団中央本部文教局がオリニ林間・臨海学校用の全国統一教材として毎年制作している「ウリナラ」を活用しながら、あいさつ程度の韓国語、ウリノレ（韓国の歌）、韓国文化の紹介などの学習を組み込んでいる。

■支部会館活用した夏期学校も

　また東京の足立、荒川両支部では支部会館を活用した「オリニ夏季民族教室」を実施する。一週間から１０日の日程で、毎日午前中、ウリマルやウリノレ、文化などを学ぶ。

　両支部とも、「ウリナラ」を基本教材に、太極旗、ムグンファなどのぬりえも準備し、オリニらに楽しみながら民族とふれさせる。

　足立支部では青年会が運営するが、小学生の頃参加していた"卒業生"が講師や担当を務めているのが大きな特徴。カリキュラムも低学年と高学年の班に分け、オリニ達があきないようにと図画・工作や韓国のアニメ、ゲームなど日替わりメニューを計画している。

■サッカーキャンプも登場

　この他、肌で韓国を感じてもらいたいと夏休みに母国を訪問するのは京都や体育会関東本部だ。

　京都では、２年前から実施している「オリニ土曜学校」の児童を中心に、ごほうびとして韓国旅行を企画した。

　体育会関東本部と在日サッカー協会では、２００２年ワールドカップ（Ｗ杯）の韓日共催をにらんだサッカー・サマーキャンプを企画した。Ｗ杯の開催都市でもある済州（西帰浦）を訪れ、現地の児童たちとサッカーによる交流のほか、市内のオリエンテーリングなどを予定している。

　オリニが待ちわびる夏休み。楽しい思い出作りは各地の民団へ問い合わせを。