| 「入居差別シンポ」では、体験談も交じえ 今後の対応が語り合われた |
■体験談交え対策語り合う
【兵庫】民団兵庫県本部権益擁護委員会(林茂男委員長)は4日、神戸市勤労会館で「『入居差別解消』のためのシンポジウム」を開催した。
宅建業界関係者や行政機関の担当者とともに今後の対応策を話し合った。民団側からは金孝同本部副団長が出席した。
最初に金美玉(50)=神戸市在住=さんが入居差別体験を報告した。報告によれば、金さんの娘さん、李美礼さんは、北海道で不動産業者を通して本名で民間賃貸住宅を申し込み、敷金や謝礼、一カ月分の家賃を支払った。
■行政、業界も参加
滞りなく手続きを終えたのにもかかわらず、後日になって入居を断られたという。
こうした入居差別が後を絶たないでいることは、民団側が兵庫県内の団員5500人を対象に昨年、実施したアンケート調査でも明らか。
約4割が入居差別体験があると回答、行政側に「差別の実態を把握し、対応すべき」と望んでいた。
これに対して、シンポに参加していた県まちづくり部建築指導課の高田弘志室長は、「県の広報紙を通して入居差別解消に向けた啓発活動を続けている」と述べるにとどまった。
同じく県宅地建物取引業協会の陰山卓司副会長も、「業者を対象にした法定講習で人権意識の高揚に努めているが限界がある。法務省が啓発運動の先頭に立つことがいちばん望ましい」と見解を述べた。
一方、民団側では金光男権益擁護委員会副委員長が、外国人に賃貸住宅を提供、もしくはサービスすることを明示したシールを玄関先に張り出すよう業者に求めた。
なお、丹羽雅雄弁護士は、行政側に啓発条例の制定と相談窓口の開設を、業者には入居差別を許さない運動を求めた。
(1999.07.07 民団新聞)
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