【ソウル】在日同胞の同世代との親睦交流と母国を肌で感じて在日同胞としてのアイデンティティーを確認してもらおうと民団が実施している青年故郷訪問団が2日から5日までソウルを中心に開催された。
今年の参加者は山形から福岡まで21地方の120余人。87年から始められた同事業は今年で13回目。ソウル市内の自由見学や独立記念館、民俗村を訪問しながら故郷の4日間を楽しんだ。
2日に全国の空港からソウル入りした一行は、早速プルコギ(焼き肉)の夕食を前に「やっぱりソウルだよー」とにっこり。青年会活動で面識がある青年たちは久しぶりの再会の喜びを体一杯で表現していた。
翌日の市内散策は、今年初めて取り入れた班別の自由行動。「どこに行こうか」と前日夜から班員が頭を寄せ合って決定した訪問先を訪れた。すべて回れた班や交通渋滞のために巡回途中で帰ってきた班など様々。ガイドブックと体験者の話をもとに自分たちで決めただけに、満足そうだった。帰りの買い物袋はずっしりとふくらんでいた。
先史時代から現在の韓国の発展相まで七つの展示館に分かれた独立記念館では、まず入り口建物の大きさにびっくり。すべての展示館を回ることはできなかったものの、日帝の侵略過程や独立を目指す同胞たちのき然とした抵抗運動に真剣に見入る参加者も多かった。
一方、リラックスしたのは民俗村。韓国伝統のオンドル部屋がある家々を見て回りながら「おじいさんもこんな家に住んでいたのかなぁ」と感慨しきりの表情だった。ノリマダンでサムルのリズムに圧倒された後はトンドンジュ(酒)で乾杯しながら、話が弾んでいた。
各参加者ともにうち解けた頃に行われたフェアウェルパーティでも、各班対抗ゲームで大いに盛り上がった。勢いあまって足をぶつける女性も出るなど、会場はどよめいた。
福岡から参加した男性は「独立記念館を見て、祖国が独立を勝ち取るために流した血を実感した」と真剣な表情で話した。また兵庫から参加した女性も「楽しかった。3泊4日があっという間でした。また韓国に来てもっといろんなところを見て回りたい」と嬉しそうに話した。
参加者らは日本に戻ってからの再会と再度の祖国訪問を約束していた。
(1999.07.14 民団新聞)
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