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21世紀に備え支部活性誓う

ソウルで全国支団長会議



21世紀に向け活気に満ちた支部作りへ
全力を尽くすことを誓い合った全国支団長会議

■先頭に立ち草の根活動へ

地方参政権・立法化へ全力傾注も

 民団の全国支団長会議が20日から22日までの3日間、ソウル市内のホテルで開催された。団員と最も密接な関係にある支部の活性化と民団の当面課題を再認識することを目的に開かれた会議には、全国から244人の支団長らが一堂に会した。

 期間中、統一教育院、財政経済部関係者をはじめ、元北韓労働党書記の黄ジャンヨップ氏による特別講演などを通じて内外情勢を確認するとともに、中央本部の黄迎満事務総長による支部のあり方に対する解説や辛容祥団長との対話を通じて21世紀をめざした活気あふれる支部作りへ全力を尽くしていくことを誓い合った。

 また、支団長らは青瓦台を訪れ、金大中大統領と歓談。金大統領は(1)地方参政権の早期立法化へ最大の支援(2)韓信協会員信用組合の統合―など、日本社会で在日同胞が営々と生きていけるよう、環境作りへ最大の支援をしていくことを約束した。

 全国から参加した244人の支団長らを前に辛容祥団長は、「団員と最も身近に接する支部のみなさんの力こそが、民団組織の重要な役割を担っている」としながら、「この会議が21世紀の民団作りに向けた画期的な場にしてほしい」と呼びかけた。

 さらに辛団長は地方参政権獲得運動についてふれ、「全組織的に5年がかりで取り組んできた運動の実を結ぶためにも、今一歩力をひとつにし、子々孫々のためにも必ずや実現させよう」と新たな決意で総力結集を呼びかけた。

 会議は統一教育院の金東洙教授による「南北関係の現況と展望」と財政経済部・経済政策局の金大〓・綜合政策課長による「韓国経済の今日と明日」と題した講演で始まった。

 金教授は、「核カード」やミサイル開発などを使った北韓の態度を指摘しながらも、金剛山観光や経済協力など、韓国の「包容(太陽)政策」を粘り強く展開していくことが望ましいと強調した。

 金課長はIMF以降の韓国経済について、「一度、経済信用度が下がると回復は厳しいが、韓国の場合は全国民の必死の努力によって世界が驚くほどスピード回復を見せた」と報告した。

 続いて、元北韓労働党書記の黄長ヨウ氏による特別講演が行われた。黄氏は南北統一を妨げている張本人が金正日であることを強調しながら、在日同胞の立場として、北韓の日本支部といえる朝鮮総連同胞に北韓に対する正しい理解を促していくことが大きな役割だと呼びかけた。

 この後、黄迎満事務総長の「21世紀、民団の主役は支部」と題した講演が行われ、黄総長は(1)民団の性格(2)幹部の役割(3)支部組織の基本と課題などについて解説した。

 黄事務総長は著しい同胞人口の減少を指摘しながら、民族として集える場として重要な時期を迎えていると説明。民族的特性を持った社会的団体として出発した原点を見つめ直すことが大切であると述べながら、団員との窓口であり最も基礎である支部の活性化が民団が生き残る大きなキーポイントだと指摘した。


■中央団長と対話通じ新たな決意

 3日目に行われた中央団長との対談では、支部が抱える悩みや、活性化に関する意見交換が質疑応答と発言形式で進められた。

 とくに(1)今後のビジョン(2)財政確保(3)時代に見合った規約の整備(4)韓国における国政選挙権(5)帰化同胞の民団における地位向上などの質問や提起が出されるなど、積極的な意見交換が行われた。


■21世紀めざし5項目を決議

 会議ではまた、「21世紀に備えた民団」を構築していくために支部活性化が何よりも重要であることを確認し、各支部が地域で先頭に立つことを誓い合い、(1)地方参政権の早期立法化へ全力傾注(2)韓信協信組の統廃合促進(3)21世紀に備えた在日同胞社会作りへ支部活性化を図るなど、5項目を決議し、会議を締めくくった。

(1999.07.28 民団新聞)



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