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永住韓国人への地方参政権付与

民団中央、年内立法化を要請
自民・自由党幹部に



自民党の森幹事長に早期立法化を促す
要望書を手渡す辛団長(左)

 民団中央本部の辛容祥団長は、七月二十八日、自民党と自由党を訪れ、森喜朗幹事長、小沢一郎党首と面談。永住韓国人に対する地方参政権実現のための早期立法化を求める陳情を行った。昨秋の金大中大統領訪日以来、新たな局面を見せている、地方参政権問題の早期国会審議を要請するとともに金大統領訪日時の「韓日共同宣言」をふまえ、天皇訪韓の実現推進や韓日共催の二〇〇二年ワールドカップ(W杯)成功に向け、在日韓国人が両国の架け橋的役割を果たしていくことも伝えた。

 この日、民団中央本部の辛容祥団長、金宰淑副団長、徐元テツ国際局長は自民党本部に森喜朗幹事長を訪れ、現在国会に提出されている永住韓国人に対する地方参政権付与の法案を早期に審議し、立法化するよう求めた。

 席上、辛団長は、昨年十月と今年三月の二次にわたる韓日首脳会談や国会演説などで同問題が強く求められたことや、韓日閣僚会議、日韓議員連盟総会、日韓親善協会総会などでも付与に向けた要請や決議がなされたことを説明し「今世紀中に起きたことは今世紀中に解決するようお願いしたい」と早期立法化を求めた。

 森幹事長は、「趣旨は十分理解しており、党内の選挙制度調査会で検討している」としながら、「韓国に永住している日本人に対する地方参政権も考えてほしい」と、党内の一部で相互主義の声があがっていることを述べた。

 これに対し辛団長は「大統領も韓国に住む定住外国人に対する参政権付与について検討するよう関係部署に指示している」と説明した。森幹事長は、「真剣に検討し善処していきたい」と答えた。

 さらに席上、辛団長は「韓日パートナーシップ」の実践へ向け、天皇訪韓の実現と一層の相互交流と理解に在日韓国人が「韓日間の架け橋的存在」として積極的に後援活動を展開していくことを述べた。

 二〇〇二W杯国会議員連盟の会長代行を務めている森幹事長も「日韓のあらゆるレベルで交流がっていくことを期待している」と述べた。


自由党の小沢党首に早期立法化の
支援を求めた辛団長(左)

■首相が決断すべき時期
 小沢党首が強調

 辛団長らはこの日、自民党に続いて、自由党本部を訪れ小沢一郎党首に面談した。地方参政権の早期立法化へ積極的な支援を求めたのに対し、小沢党首は「金大中大統領は過去の問題を乗り越えるために決断をした。今度は日本が歴史的な決断をすべき時だ」と述べ、「いつまでも放っておけない問題であり、小渕首相が政治決断をすべき時期に来ている」と強調した。

 さらに小沢党首は「この問題はわれわれの世代の内に実現させたいし。“地方参政権”は共生のシンボルとして、本当の友好関係をつくるために必要なものだ」と積極的な姿勢を示した。

(1999.8.4 民団新聞)



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