民団新聞 MINDAN
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韓国の障害者・朴大雲さん

車イスで日韓4000キロ縦断へ
2002年ワールドカップ成功へエール



辛容祥民団中央本部団長
(右側)の号令でマラソンスタート

 二〇〇二年サッカーワールドカップ(W杯)韓日共催の成功を祈って、手こぎ三輪車の車いすで日本縦断中の朴大雲さん(29)=韓国・延世大三年=が七月三十一日、第一中継ポイントの東京・代々木公園で韓日両国の有志と共に記念フェスティバル「ひとつになるマラソン」を楽しんだ。

 朴さんは幼いころに交通事故で太ももから下を失った。しかし、ハンディにもめげず登山やマラソンなどにも積極的に挑戦、昨年はW杯開催年にちなみ四十日間をかけてドイツ、フランスなど欧州五カ国二千二キロを走破した。朴さんは、「走ることによって世界の人々と交流し、韓国のことも知ってもらうことができる」と話している。

 今回は「両国民が過去のわだかまりを超えて一つになり、W杯を成功させたい」と七月十一日に日本最北端の稚内を出発、韓国まで四千キロのレースに挑んだ。

 朴さんは乗用車で伴走する友人らに見守られながら七月三十日午後、東京・南麻布の韓国中央会館に到着した。民団職員らに拍手と花束で歓迎の出迎えを受けた朴さんは「北海道で、息子を交通事故で亡くしたという農家のおばあさんが『頑張って』と二千円くれた。感動した」と話していた。

 代々木公園での記念フェスティバルには、駐日韓国大使館から李先鎮総領事と鄭鎮永文化院長、民団側からは辛容祥中央本部団長と金宰淑・同副団長、金龍濤東京本部副団長ら多数が激励に駆けつけ、朴さんら一行を感激させた。

 記念マラソンには在日大韓体育会の鄭龍男専務理事や青年会中央本部の崔喜燮会長も参加。飛び入りの日本人有志も加わり、総勢三十人で公園内約四キロのコースを心を一つにして走った。参加メンバーの一人、三上雅さん(27)は「今後の日韓友好に向けてなにか役に立ちたい」と述べた。

 朴さんは一日、韓日両国旗をなびかせながら、愛用の手こぎ三輪車で鹿児島県の佐多岬を目指して出発した。到着は二十一日の予定。二十四日には釜山から北上、九月六日に最終到着地の板門店に入る。

(1999.8.4 民団新聞)



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