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金鍾泌首相訪日特集<1>

2002年を「韓日国民交流の年」に
韓日首相・未来志向の関係構築再確認



未来志向の韓日関係構築の
重要性を再確認した韓日首相

■「行動計画」着実な進展

 韓国の国務総理として初めて公賓として9月1日から訪日していた金鍾泌首相は5日、すべての日程を終え帰国した。日程中、金首相は民団が全組織を挙げて展開している永住韓国人への地方参政権問題について、小渕恵三首相との会談や、関連団体との懇談会などを通じて、「1日も早く実現するよう」強く要請した。

 東京と大阪で行われた在日同胞との懇談会の席で金首相は、常に母国への自発的な貢献とその愛国心を高く評価しながら「在外同胞財団」を通じた支援をはじめ、母国内での待遇改善や地方参政権問題の実現へ最大の支援をしていくことを約束した。

 金鍾泌首相は2日午前、日本の小渕恵三首相と東京・元赤坂の迎賓館で会談した後、記者会見に臨んだ。


皇居を訪れ天皇と歓談した金鍾泌首相

■韓日パートナーシップの前進

 両首相は、(1)10月23、24日に韓国・済州道で開く韓日閣僚懇談会に小渕首相が出席(2)サッカー・ワールドカップ(W杯)を共催する2002年を「韓日国民交流の年」として、文化、青少年、地域、学術など幅広い分野で両国間の交流事業を推進(3)シャトル便運航など2002年W杯に向け航空輸送体制の強化を検討(4)北韓に対する韓国の「包容(太陽)政策」への小渕首相の支持を再確認(5)韓半島エネルギー開発機構(KEDO)事業を円滑に進めることが重要と認識――などで合意した。


■対北韓、韓日米の連携で

 また、世界平和の脅威になっている北韓のミサイル再発射問題では韓日米が引き続き緊密に連携し、北韓の前向きの対応が得られるよう最大限に努力することを再確認した。

 注目される永住韓国人への地方参政権問題について、金首相が付与の検討を改めて要請したのに対し、小渕首相は「在日韓国人の地方参政権に対する関心の大きさをよく理解している。各党各会派で議論しており、自民党も選挙制度調査会で行っている」とし、今後も検討を続ける考えを表明した。


迎賓館で行われた公式歓迎行事

■地方参政権早期実現を要請

 地方参政権問題については会談後の記者会見で金首相が、「会談の中で小渕首相に対し、韓国側が在韓定住外国人に対し地方自治体選挙権付与にむけ、最終段階に入ったことを説明した」と明らかにし、「1日も早い実現へ真摯な対応を求めた」と述べた。

 小渕首相は「野党などから出された(地方参政権付与に関する)法案が継続審議として次期国会で審議される見通しだ」と説明した後、『自・自・公連立体制』など、政界構造の変化にあわせて、鋭意努力したい」と述べた。


■2002年までに天皇訪韓を

 金首相は、W杯開催までの天皇陛下の訪韓を招請、「W杯以前に実現すれば、真の友好協力増進のよい機会となる。両国で陛下が気楽に訪問できる環境づくりに努力しなければならない」と強調。小渕首相は、実現に向けて環境整備に努力する考えを示した。

(1999.09.08 民団新聞)



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