民団新聞 MINDAN
在日本大韓民国民団 民団新聞バックナンバー
金鍾泌首相訪日特集<5>

「参政権」へ最大支援
在日同胞に激励あいさつ



 金鍾泌首相が在日同胞との懇談会で述べた激励あいさつの内容。

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辛容祥中央本部団長をはじめ民団指導者のみなさん!

 在日韓国人の汗と涙が滲んだここ民団中央本部を訪問し、みなさんにお目にかかれて感無量の気持ちです。

 1946年に創団した民団は在日韓国人社会の求心体になってきました。民団は解放以来、つねに在日同胞の正当な法的地位を獲得するために尽力し、指紋押捺撤廃、地方公務員国籍条項撤廃など、在日同胞の権益改善のために絶え間ない努力をしてきました。

 在日同胞は日本社会の責任のある構成員として、そして誇らしい韓国人としてプライドと自負心を持って生活していることは、このような民団の努力の結実があったからだと思います。

 在日韓国人の権益向上のために献身してきた民団のみなさんにこの場を借りて感謝申し上げます。

 私は在日同胞のみなさんの母国に対する愛情が世界のどの地域の同胞より高いことを知っています。それはみなさんが定着してきたこの地が、苦労を重ねながら耐えぬいてきた歴史の現場だという点でも一層痛感しています。

 最近、母国が経済危機に陥った時にも、民団を中心に在日同胞のみなさんが見せくれた温かい心と声援は、母国の経済危機克服に大きな力になりました。

 世界で最も大きなセン在力を持っているユダヤ人の力は、国土や人口の大きさではなく、彼らの団結力と祖国愛から沸いてくるとされます。

 私は今、世界の各地に進出している我が在外同胞社会こそ、世界に羽ばたく大韓民国の大きな力と底力であると信じてやみません。

 韓国政府は皆さんの恩恵に応えるためにも様々な支援対策を推進しています。

 「在外同胞財団」を通じた支援はもちろん、在外同胞の地位向上と母国内における経済活動を画期的に保障したこともその一環です。

 みなさんが大きな関心を持っている地方参政権問題も今回、私の訪日を通じて日本政府と政界に、より積極的に取り組んでくれることを強く求めるつもりです。


尊敬する民団指導者のみなさん!

 ご存知のように今の韓日関係はどの時代よりも友好的な関係にあります。

 このような良好な韓日関係となった背景には昨年、両国政府間の「パートナーシップ共同宣言」が大きな転機となりましたが、民団を中心とした在日同胞社会の役割がとても大きかったと思います。

 みなさんが韓日間の様々な交流事業に対し、先頭に立ち積極的に推進し、日本社会の健全な一員として調和しながら生きている姿は、まさに韓日善隣関係を象徴するものだと思います。特にこのような民団の役割が祖国統一に備え、朝総連同胞を包容していくところまで影響を与えていることは、本当に鼓舞的なことだと思います。

 それは今、韓国政府が北韓に対して展開している「包容政策」の延長線上にあるからです。

 民団のみなさんも民族の念願である平和統一を成し遂げる道は、祖国で再び戦争が起きないようにし、時間がかかっても粘り強く北の同胞を包容していくことであるとの認識を持ってほしいと思います。

 新たな21世紀を迎えるにあたり、民団が在日同胞社会の中枢として、その役割を果たしてくれることを信じながら、在日同胞社会の永遠なる発展を願います。

(1999.09.08 民団新聞)



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