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学びの秋、7都市で民族大学



会場狭しと、150人の受講生が殺到した神奈川教室

 7月の長野教室以来、民族文化、韓日史など幅広い分野で在日同胞の知的欲求にこたえるための講座制民族大学(主催・民団中央本部、同運営委員会)は全国で相次いで開講している。9月25日には最大の同胞居住地域である大阪が開講するのをはじめ、10月には兵庫(2日)、東京(第3期、23日)も開講する。すでに開講している長野、広島、名古屋、神奈川とあわせて、現在七地区で同胞のための民族社会教育が進められている。


■常設化に向け、大阪は第2期目

 9月25日に開講するのは大阪コリアン・アカデミー。大阪では、民族社会教育の一環として講座制民族大学が発足した93年に全国の先陣を切って開設され、大きな反響を呼んだ。

 今回は二度目の開講となるが、東京に続いて常設化への試みとして開かれる。25日から毎週土曜日、全8回にわたって韓日関係史、在日同胞の生活や法的問題など多岐にわたった講義が行われる。

 大衆的な民族社会教育という観点から、学術的な側面よりも生活に則った講義が企画されている。朝鮮朝時代(江戸時代)に唯一の外交政策としてとられた朝鮮通信使が大阪でどのような交流を繰り広げたのかなども紹介される。また、世代交代が進む中、伝統的な習慣が薄れつつある状況を見据えて、現在の生活感覚にあった冠婚葬祭やチェサ(祭祀)のあり方を考える講座も設けられている。

 この他、民族教育のあり方、本名で暮らせる社会づくり、外国籍住民の捉え方など、在日同胞の最大居住地域にふさわしい講義が設定されている。今回の民族大学を通じて、受講生などの広範な声を聞きながら常設化を進める。

 一方、すでに開講している名古屋と神奈川でも常設教室を計画中で、いずれも今回の講座がたたき台となりそうだ。また、初の常設教室として昨年6月に開設された東京は、10月から第3期目が始まる。


■神奈川、教室満杯の人気

 【神奈川】「神奈川インターナショナル・アカデミー」(講座制「民族大学神奈川教室」第2期)が11日、神奈川韓国会館で始まった。開講式には当日の駆け込み申請もあり、定員いっぱいの150人に達する受講生が参加した。平均年齢は男女ともに53歳と、在日同胞社会をこれから支えていく中堅世代が会場で目立っていた。

 「神奈川教室」には開講式前日までにすでに日本国籍者4人を含む145人の申し込みが寄せられていた。内訳は男性94人、女性51人。最高齢者は85歳の河東陽さん、最年少は15歳の趙真理さんだった。

 民団南部支部の許南明さんは「全部は出席できないけど、崔洋一さんは聞いてみたい」と述べた。同じく徐泰源さんは「『在日』が生きるために何が必要なのかに関心がある」として金英達さんの「在日韓国人社会の歩み」を楽しみにしているという。

 小学生の子どもを持つ金京必さんは「教育問題に関心がある」と話し、現職公立学校教諭が講師として立つ「体験を通して考える本名問題」に注目していた。

 開講式には民団中央本部から金宰淑副団長が出席、辛容祥団長(講座制民族大学運営委員長)のあいさつ文を代読した。続いて民団神奈川県本部の金洪斤団長が歓迎の言葉を述べた。

 「神奈川教室」は毎月第2、第4土曜日を基本に午後2時から毎回一講座、全10講座で構成されている。来年2月26日に修了式を行う。

(1999.09.22 民団新聞)



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