民団新聞 MINDAN
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目線を低く・・・



 大人が小さな子どもから話を聞くとき、よく腰をかがめる。目線を低くすれば子どもは圧迫感を感じない。安心して心を開いてくれるからだ。

 民団が団員の心を開くにのも、ちょっとした発想の転換が求められているかもしれない。一般的には「団費を払っているのにメリットがない」と思われているからだ。

 団員から信頼されていないとなれば、実務者にとっても不幸になる。団員からの信頼を獲得し、実務者にも仕事に対するプライドを持ってもらうにはどうするか。民団神奈川県本部が考え出したのが、団員のための生活サポートサービス「無窮花」だった。

 例えば葬祭部門。団員は民団と提携した業者から祭壇料金の大幅割引サービスを受けられる。通常三十万円かかる祭壇を選べばこれは無料に。サービスは金銭面だけに限らない。弔問客の受付、案内などは民団職員が率先して駆けつけテキパキとこなす。

 評判は口コミで伝わり、少しずつだが依頼が増えているという。民団には組織財源として業者から一定額のキックバックが入るから、職員にも自覚が生まれる。一挙両得といえるかもしれない。役職員のなかからは当初、「人の不幸につけ込んで金儲けとは」という批判の声も出たが、団員に喜ばれているとあっていまはそんな声も聞かれない。

 また、県内の一流ホテルや結婚式場と提携しての冠婚部門では、会場の割引斡旋、民族衣装の格安レンタルサービス。生活部門では最近、年間千円で万一のときは十万円の弔慰金を贈る制度を開始したばかり。このほか同胞系飲食店の割引利用も行っている。同本部ではいつも目線を低くして、団員のために何ができるかを考えているという。これなら団員の民団離れとは縁がなさそうだ。(P)

(1999.10.13 民団新聞)



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