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民族講師の連携拡大

大阪府内全域結び「会」結成
民族学級の拡大・深化へ



大阪府民族講師会の発足記念集会

 【大阪】大阪府内の公立小、中学校で在日同胞子弟の民族教育に取り組む民族学級講師が一丸となり、このほど横断的なネットワーク組織「大阪府民族講師会」を発足させた。二十一世紀の教育改革を前に、府内に散在する民族講師が連携、実践を深めながら、多文化共生教育の輪を府内全域に拡大していくことを目指している。

 大阪府民族講師会は民族教育促進協議会(郭政義代表、大阪市天王寺区)が府内の民族講師に呼びかけ、発足にこぎつけた。九日、大阪市浪速解放会館で行われた発足記念集会には、地元の民団、総連関係者のほか日本人教職員、行政関係者、同胞保護者など四百人がお祝いに駆けつけた。

 民族講師会の結成は大阪市、東大阪市に続いて三番目。大阪市では八十三校、東大阪市でも二十三校で民族学級(母国語学級)が市内の公立小、中学校に設置されていることが後ろ盾となっている。しかし、これに比べると他市は取り組みが弱く、講師も両市から派遣しているのが現状だ。

 二〇〇二年の教育改革に伴って実施される「総合的な学習の時間」で多民族・多文化共生教育を確かなものとして根付かせるには、地域や学校における日常的な取り組みが欠かせない。基調報告では、各学校や地域をつなぎ広げるために府内各地域に民族講師の地域代表者を定め、地域での取り組みに専心できる体制づくりを目指すことを宣言した。

 こうして各地域間の交流と連携が進んでいけば各市町村単位で行われてきたプログラムも府内広域事業に拡大、子どもたちの出会いと活躍の場を広げることが可能になるからだ。

 もうひとつ、府内に散在する五十人の民族講師が互いに教育実践や教材、カリキュラムを交換し、一人ひとりの教育実践力を高めていくことも課題の一つ。大阪府民族講師会では今後、各種交流プログラムを通じてこれまで以上に日常的な絆を強めていくことにしている。

 この日の発足記念集会では、二十人の民族講師が総出演して、マダン劇「民族学級の過去・現在・未来」を披露した。さらに大池中学・朝文研生徒がチャンゴ演奏で大阪府民族講師会の前途を祝福した。

 なお、大阪府民族講師会の共同代表には次の四人が就任した。

 朴正恵さん(大阪市、市立住之江中講師)、文茂康さん(摂津市、大阪市立加島小講師)、鄭初美さん(東大阪市、市立太平寺小講師)、姜孝裕さん(守口市、市立池田小講師)。

(1999.10.13 民団新聞)



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