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世界各国で人気爆発のNANTA(ナンタ=乱打)

来年1月に日本で初公演



コリアンビートでキッチン内を
コメディ化した「NANTA」

 台詞のないパーカッション・ミュージカル、「NANTA」(乱打)が来年一月に東京と大阪で日本初公演を行う。キッチンを舞台に食器や調理道具、野菜などを楽器代わりにサムルノリのリズムにあわせて、スピーディーな笑いを演じる「NANTA」。ブロードウェイや各国の演劇関係者から絶賛され、米国、日本をはじめ世界各国から公演要請が相次いでいる。日本公演は今年十月にフロリダのディズニー・ワールドで行われる米国披露目公演につづくワールドツアー第二弾で、演劇関係者らから早くも注目を浴びている。

 来年一月の日本初公演は朝日新聞社が主催、民団中央本部、駐日韓国大使館・文化院、NHK、外務省などが後援して行われる。

 包丁が舞い!鍋が踊る!そして、恩わず体が動き出す。「NANTA」は漢字に直すと「乱打」と書き、文字通りめちゃくちゃに打つこと。韓国の伝統楽器演奏の「サムルノリ」などでも、出てくる用語だ。

 四人の料理人と一人の支配人が繰り広げるパフォーマンス・ショーで、ビートと豊かな俳優たちの表情が見せ物で、台詞はほとんどない。そのため、言語や国境を越えたステージでは、思わず体が動き出してしまう。

 「NANTA」は九六年十月に制作が開始された。サムルノリの素養のある俳優の中からオーデションを行い、最初は四人が選ばれた。一年後の九七年十月からソウルを中心に韓国内で繰り返したが、全国で大反響を呼び起こした。

 そして、この評判を聞きつけたブロードウェイのプロデュース会社、「ブロードウェイ・アジア」の目に止まり、ワールド・ワイド・ブッキングのために、多少の修正を加えた。

 米国からクリエイティブ・ディレクターを迎え、ドラマ構成を加え、全体的にシンプルにすることでショーとしての完成度を高めた。こうして出来上がったニューバージョンの幕が、昨年十二月二十二日に上げられた。

 今年八月には、世界中から作品が集まることで知られ、演劇版の「カンヌ映画祭」といわれる「エディンバラ国際演劇祭」に正式参加し、マスコミや専門紙が「5ツ星」の満点評価をする絶賛をあびた。

 百作品以上が集った同フェスティバルで「NANTA」は、真っ先にチケットが完売し、追加公演をするほど、最も人気を誇った。

 台詞のないパーカッションが国境と言語を超え、観衆から大受けした。

 このフェスティバルで演劇関係者から注目され、米国、イタリア、オランダ、台湾、シンガポールなどの各国から公演要請が相次いでいる。


包丁が舞い、鍋が踊る!
キッチン用品が打楽器に

 コンセプトは「ln The Kitchen」。

 料理長と二人の料理人、生意気でいたずら好きのアシスタントの四人が、結婚式の宴会用の料理を用意する、という万国共通の設定の中、時々覗きに来る厳しい支配人の目を盗んで料理と遊びをリズムに乗って、ユーモアたっぷりに練り広げる。

 張り切りすぎる料理長、カンフー好きな料理長のアシスタント、料理下手で勘違いの激しい唯一の女性料理人、支配人の甥でその日に入ったばかりの使えない下っ端アシスタント、さらに怖い支配人の五人が、最初のスープから最後のデザートまでを瞬く間に、楽しく作る。

 「六時までに仕上げろ」という支配人の号令で、四人の連携プレイがスタートする。

 包丁、鍋、野菜、ペットボトルなどキッチンにあるあらゆるものが打楽器に変わる。

 七十五分間のショーは、爆笑と関心と驚きと拍手で彩られ、最後には客席と舞台が一体となって大騒ぎのうちに終わる。

 ステージでのリズムや音楽は、サムルノリや農楽、韓国民謡を裏打ちしたもので、東アジア的な親近感を覚えさせる。

 韓国の田舎に音から伝わるビートや、キッチンに着目した韓国的「食」ヘのこだわりなどが「NANTA」のオリジナリティを高めている。

 そして、分かりやすい状況設定、原初的なビート、台詞のないパフォーマンスなどが卓越した技術に支えられて展開するステージは、広く国境を越えて受け入れられる。

 「NANTA」のオリジナル音楽は北韓スパイとの諜報戦を描いた大ヒット映画「シュイリ」の音楽監督李トンジュン氏が担当する。


■公演日程■

◆東京公演(青山劇場)

 二〇〇〇年一月六日(木)〜十六日(日)、平日は19時半開演。土日は13時、17時半の2回。公演時間は75分。

 前売りチケットはチケットぴあ、チケット・セゾン、ローソンチケットで十月九日から発売開始。  料金S席8000円、A席7000円。

 問い合わせは、03(5434)9111、プロマックスへ。


◆大阪公演(シアター・ドラマシティ)

 二〇〇〇年一月十九日(水)〜二十三日(日)。公演時間と料金は未定。大阪公演の問い合わせは06(6233)8888、キョードー大阪へ。

(1999.10.13 民団新聞)



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