| 済州道のいなか村を訪れた 金鍾泌首相と小渕恵三首相 |
【済州】金鍾泌首相、小渕恵三首相と韓日両国の十四閣僚らによる2回目の閣僚懇談会が23日、韓国・済州道の新羅ホテルで開かれ、永住韓国人への地方参政権付与問題で金首相が「速やかに実現するよう日本政府と与党が努力してほしい」と要請したのに対し、小渕首相は自民、自由、公明3党の政策合意で検討方針が盛り込まれたことを説明した。
また、北韓政策では韓日米3国の連携による「包括的アプローチ」を前進させることで一致したほか、サッカー・ワールドカップ(W杯)が開催される2002年を「韓日国民交流の年」として各分野での交流事業を推進することで合意した。
韓日閣僚懇談会は昨年10月、鹿児島に続き第2回目。韓国からは金鍾泌首相、洪淳瑛外交通商相、康奉均財政経済相らが、日本からは小渕恵三首相のほか、河野洋平外相、深谷隆司通産相ら五閣僚が出席。個別の閣僚会談の後、全体閣僚懇談会を開いた。
全体会合に先立ち、両首相が会談。金首相は「日本の天皇の訪韓を期待し、2002年W杯を成功させよう」と述べ、天皇訪韓を、あらためて要請した。
注目された、永住韓国人の地方参政権について、韓国側は速やかな実現を求めたのに対し、日本側は自自公3党が永住外国人に地方選挙権を与える法案を議員提案することで合意したと説明し、三党間の話し合いを見守る考えを示すにとどまった。
また、韓日共催のW杯がある2002年を「韓日国民交流の年」にすることで合意。文化やスポーツ、青少年、地域、学術、産業など幅広い分野で交流事業を進めることになった。
一方、経済分野では協力関係を強化するため、3月に合意した「韓日経済アジェンダ21」の推進や、両国間の投資を活発にするための韓日投資協定の早期締結に向けて12月中に韓日官民合同投資促進協議会の第2回会合を開くことで合意した。
また、関税などを相互に撤廃する韓日自由貿易協定(FTA)構想などを検討するため、来年春に共同でシンポジウムを開くことも決めた。
金鍾泌首相は小渕恵三首相との会談や記者会見で、在日韓国人の地方参政権問題について「日本政府、与党が努力してほしい」と、実現を強く求めた。
金首相は、「近い将来、実現できるよう総理としても格別の関心をもって頂きたい」と、小渕首相に政治指導力を発揮して、この問題に決着をつけるよう促した。
これまでも金大中大統領ら韓国政府首脳が再三求めており、韓国側にとっては最も関心の高いテーマの一つだ。しかし、小渕首相は与党3党による協議を見守る姿勢を示し、踏み込んだ発言を避けた。
韓国側は日本の一部で出されていた「相互主義」に対応するため、在韓定住外国人に地方参政権を与える法整備の検討を始めており、日本側にとっては早晩決断が迫られる。
(1999.10.27 民団新聞)
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