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2002W杯共同作業成功へ在日も大役

辛団長がJAWOC特別顧問に



民団中央本部を訪れた
JAWOCの遠藤事務総長(右から2人目)と
固い握手を交わす辛団長(右から3人目)

■韓日架け橋の役割担う

 韓国と日本が共催するサッカーの2002年ワールドカップ(W杯)日本組織委員会(JAWOC)は11月24日、東京都内で理事会を開き、特別顧問として民団中央本部の辛容祥団長、新理事に日本サッカー協会の釜本邦茂副会長ら6人の就任を決めた。日本で開かれる大規模なスポーツ大会の組織委に外国籍の人士が加わるのは極めて珍しいケース。共催という韓日共同事業の成功へ両国の架け橋的存在である在日韓国人を地域住民として迎え入れたものでもあり、2年半後の本番に向けて、韓日両国と在日同胞の共同事業に新たな拍車がかかりそうだ。

 組織委員会の特別顧問に、日本人以外が選ばれるのは初めてで、財団法人の組織の幹部に外国籍の人士が加わるのも異例のことだ。

 この点について、組織委員会の那須翔会長は「今後、日韓の関係をより緊密にしていくうえで、日本に長く住み韓国の事情にも精通している民団の人の助力が必要になると思う」と説明している。

 辛団長は今年2月に、韓国組織委員会(KOWOC)の諮問委員に選ばれており、今回のJAWOCの特別顧問とあわせて、韓日の架け橋的役割を果たしていく存在となった。

 JAWOCでは、「大陸別予選の抽選会が12月7日に東京で開かれ、2002年W杯に向けた様々な準備と稼働が本格化していく。この機会に韓日共催であることに鑑み、在日韓国人の代表として、民団中央本部の辛容祥団長を特別顧問に就任してもらい、今後の様々な準備活動と大会での活動でアドバイスをいただきたい」と就任の理由を話している。

 理事会ではまた、新理事は理事枠の増加に伴うもので、釜本副会長のほか、日本サッカー協会の小倉純二副会長、森健児専務理事が就任し、韓国文化に通じた女優の黒田福美さんらが加わった。


■遠藤事務総長が民団中央を訪問

 辛団長の特別顧問就任が11月24日の理事会で正式決定したことにともない翌25日には、JAWOCの遠藤安彦副会長兼事務総長と古橋明廣国際部副部長が民団中央本部を訪れ、辛団長をはじめ、在日韓国人後援会・常任副会長の金宰淑副団長らと歓談した。

 遠藤氏は理事会で辛団長の特別顧問就任が満場一致で決まったことを報告するとともに、「日本での試合を観戦に訪れる韓国の人のために韓国語ができる民団からのボランティアを期待したい。いろいろと協力いただけることがあると思う」と述べた。

 辛容祥団長は「韓日共催の決定は『21世紀の韓日は運命共同体だ』と、天が与えた使命。私たち在日韓国人としても最良の結果だった」としながら、「民団は、韓日共催のワールドカップを両国の友好を深め、在日同胞が日本社会の地域住民として参与していく絶好の機会ととらえて、後援会を結成し様々な支援活動を展開していく。特別顧問入りは、大変名誉なことで、韓国と日本の架け橋になれるよう力を尽くしていきたい」と話した。

(1999.12.01 民団新聞)



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