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大阪市内の公立小・中学校

民族学級設置、全校の20%に



校内の掲示板にはり出された
民族学級開講式の>写真に見入る
日本人母子(三国小で)

■今年6校で設置し85校に

 【大阪】大阪市内の公立学校で民族学級(民族クラブ)の開設が相次いでいる。今年に入ってからも新たに6校が新設した。これで市内の民族学級(民族クラブ)総数は85校、同公立小・中学校全体の20%に達したことになる。今後さらに10校前後で設置されるものと見られており、数年内に百校の大台に乗るのは確実な勢いだ。

 今年10月から11月にかけて新設されたのは、大阪市内の東中川小(生野区)、山之内小(住吉区)、西三国小(淀川区)、三国小(淀川区)の四校。このほか、一学期中には玉手中、玉津中でも開講している。

 三国小民族学級(平井紘也校長、614人)では民族クラブ「ポラム(生きがい)の会」の名称のもと、11月12日に開講式を行った。


■1、2年内にさらに10校で

 色とりどりの民族衣装で式典に臨んだオリニたちはそれぞれ韓国語で自己紹介、これに対して日本人の児童会代表は「頑張って下さい」と激励した。日本の子どもたちが一人ひとりの違いをありのままに認め、在日同胞子弟には自らのアイデンティティを確立して自分らしく生きていってほしいというのが平井校長の念願だ。それだけに式典に臨んだ平井校長は、この日のエールの交換に胸を熱くしていた。

 平井校長は97年の春、同校に赴任してきた。民族学級設置を求める同胞父母からの声の高まりを受け、実現に向けて周到な準備を重ねてきた。


■開設へのムード作りが大切

 まず、4月に「拡大外国人教育部会」を設置、教員を対象に何回も「共に豊かに生きる」をテーマとした研修会を繰り返した。7月には「第15回北大阪子ども民族交流会」を同校に誘致、民族学級開設への雰囲気を盛り上げたのも功を奏した。「ポラムの会」は毎月第1、3、5週の金曜日6時限目に行われている。

 三国小に在籍する在日同胞児童は11人と比較的少ない。全校児童・生徒の一割、ないしは40人以上の在日同胞が在籍している学校を基準とすれば、同校のケースは珍しい。少数在籍校でも、同胞父母の熱意と学校側の理解がかみ合えば民族学級設置が実現できるということを示すものといえそうだ。


■同胞父母の働きかけ実る

 大阪市内での民族学級設置は1972年の長橋小が始まり。「子どもにウリマルの一つでも教えてやりたい」という同胞父母の声の高まりを受けて、教職員が教育委員会に働きかけたことがきっかけとなった。70年代には15校、80年代に22校、90年代に入ると46の学校で取り組みが始まり、現在では85校で民族学級が行われている。

(1999.12.01 民団新聞)



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