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在日3世女優の金裕美さん

韓国映画でヒロイン役に



ヒロイン役に抜擢された金裕美さん

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「絵日記」で在日同胞役演じる

 在日同胞3世がもうすぐ韓国で封切られる映画「絵日記」でヒロイン役に抜擢され、近々スクリーンにお目見えする。抜擢された金裕美さん(23)は東京在住で、現在ウリマル習得のために本国に語学留学している。映画出演の決定以来、CM出演の話も持ち上がるなど、韓国で人気を呼びそうだ。

 金裕美さんが出演するのは「絵日記」のジュリ役。「絵日記」は、自分の父親だとする5歳の子どもの出現にビックリした映画助監督が在日同胞の恋人・ジュリと一緒に本当の父親を捜す旅に出る旅情を美しく描いた映画。


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芸名は「ヒロミ」

 ソウルをはじめとして大田などを経て慶尚南道の南海まで父探しの旅を続けるパートナーは、コメディアンとして韓国で有名な李フィジェ。

 裕美さんの芸名は「ヒロミ」。日本式の読み方が目新しいと「ヒロミ」に決まったという。

 武蔵野美術短大でデザインを専攻した裕美さんは、日本で芝居活動をしている最中に、日本のエージェントの推薦でオーディションを受け、今回のヒロインに抜〓された。


ヒロイン役に抜擢された金裕美さん

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延世大に留学し、ウリマル習得

 裕美さんは「ラブストーリーと家族の愛がある温かい作品なので気に入りました。私のジュリ役は在日同胞なので、感情移入もしやすい」という。

 しかし、裕美さんは短大まですべて日本の学校教育の中で育ってきただけにウリマルはできない。そのためキャスティングが決定した今年6月以来、早速ソウルに飛び、延世大学の語学堂に入学し、ウリマル習得に懸命だ。

 ロケの時もたどたどしいウリマルで困難な場面も経験し、セリフを暗記するだけでも大変な状況だったという。だが、高ヨンナム監督が日本語を理解しているために、監督からセリフについて懇切に説明されたことが大きな助けになっている。

 また、セリフを丸暗記しようという気持ちが強い裕美さんに、相手役の李フィジェが特有のユーモアで笑わせて緊張を解きほぐすなど回りのスタッフの助けも大きいという。


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在日として韓国映画出演が意味

 ウリマルも分からずに韓国映画界に飛び込んだ裕美さんだが、「日本のテレビに出演することはあまり意味がない」としながら「在日同胞として韓国映画に出演することに意味がある」という。

 また、今後も「韓日合作の映画に出演する機会があったらいいですね」と韓日の架け橋役になることを望んでいるようだ。

 すでに韓国でも在日同胞3世が韓国映画に初出演すると各種メディアで話題になるなど、裕美さんの人気は急上昇中だ。

(1999.12.01 民団新聞)



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