民団新聞 MINDAN
在日本大韓民国民団 民団新聞バックナンバー
同胞老人ケアーへ婦人会

ホームヘルパーを養成へ



婦人会役員も熱心に学ぶ
大阪市のホームヘルパー研修(12月6日)

事業所指定も視野に
婦人会大阪主導で研修会も

 【大阪】4月からの介護保険制度導入を前に、婦人会大阪府本部(余玉善会長)が、民団大阪府本部(洪性仁団長)との連携の下、今春から自前のホームヘルパー養成に取り組んでいる。婦人会同本部では総勢100人の資格取得者を送り出し、地域に居住する同胞高齢者のためのケアにあたることにしている。全国でも初めての試みだ。

 在日同胞1世は、高齢とともに日本語でのコミュニケーションが取りにくくなっている。サービス提供・内容も在日同胞の食生活や文化などを考慮したものではなく、介護保険サービスが実施されても、在日1世高齢者には利用しづらいというのが現実だ。

 民団ではこうした制度上の不備をまかなうためには同胞自身によるホームヘルパーの養成が不可欠と判断、今年に入って婦人会に協力を要請していた。要請を受けた婦人会では、5月から役員を中心に大阪府と大阪市が主催する研修会に人材を送り始めた。

 前期研修は10月で修了、すでに7人が自費で半年間132時間にわたる講義と実技を履修、資格を取得した。来年3月までの後期研修では、さらに18人程度が有資格者となる見込みだ。

 民団側では最低でも100人のホームヘルパーを婦人会から輩出できたらと期待しており、将来的には民団自らホームヘルパー派遣事業所としての指定を受けることも視野に入れているという。そうなれば、要介護認定からもれた同胞のケアも可能になる。

 金ヒョンス同国際部長は「大阪市と在日同胞高齢者の問題を考える勉強会を重ねるなか、1世の介添えには同胞、特にきめ細かい心配りのできるオモニたちが最適だと判断した。婦人たちの訪問は、同胞社会の肌のぬくもりを伝えることになるでしょう」と話している。 民団側のこうした期待に応えるかのように婦人会でもやる気十分なところを見せている。余会長は「これからは同胞介護を婦人会活動の中心にしていく」とのこと。

 前期研修で資格を取得した趙貞淑さん(婦人会泉北支部会長)は「入浴介護、おしめの替え方などの実習を通してぎっくり腰になったが頑張って受けてよかった」と振り返った。


■婦人会が全36支部を巡回

 婦人会大阪府本部は11月30日まで約2カ月かけて傘下の婦人会36支部を巡回し、各支部役員らと意見交換を行った。

 支部巡回は「草の根の対話運動」と称して10月6日から始まった。1日に3支部から4支部を巡回する強行軍だったが、余会長は確かな手応えをつかんだようだ。

 余会長は「民団泉北支部の同胞高齢者施設、ムグンファハウスを見学して感動した。婦人会によるケアの必要性も実感できた。これからも地域同胞社会に密着して声を聞き、今後の活動に反映させていきたい」と述べた。

(1999.12.08 民団新聞)



この号のインデックスページへBackNumberインデックスページへ


民団に対するお問い合わせはこちらへ