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はじめに

誠実な対応北韓へ要求

 国際社会は未曾有の金融危機にあり、同時不況にあえいでいます。韓日両国は言うまでもなく、両国の経済状況に大きな影響を受ける在日同胞経済は、きわめて厳しい状況に置かれています。このような時ほど、韓半島の平和と南北関係の安定、韓日両国の善隣友好が欠かせません。

 しかし北韓は、李明博大統領を就任以来、「逆徒」などと呼んで、韓国に対し挑発的な言動を繰り返してきました。今年1月には、「全面対決態勢に進入する」「政治・軍事的な対決状態解消に関わるすべての合意事項を無効にする」などとし、韓国を恫喝する姿勢を強めています。

 6者協議は昨年12月、北韓の強硬な姿勢により何らの進展もなく物別れに終わり、今後の日程すら決まっていません。北韓としては、米国が政権移行期にあることを計算してのことでしょうが、核廃絶や人権改善など北韓が自ら解決すべき問題が軽減されることはあり得ません。

 韓国は「核廃棄と経済支援」を対北政策の基本にすえ、「非核・開放・3000」政策による冷静な対応を取ってきました。南北関係、北核問題とも進展の与否は、北韓の対応にかかっていると言えます。本団は、北韓が南北対話や6者協議などに誠実な姿勢で応じるよう、これまで以上に強く求めていきます。

 韓日関係は、李明博大統領の就任以来、近年になく良好な関係が維持されています。独島問題など関係悪化に影響を及ぼす固定要因が存在するものの、両国の深みのある経済関係を基礎に、文化・スポーツなど多分野で多角的な民間交流がより活発となり、政治的な分野においても比較的良好な関係が続くものと展望されます。

 ですが、来年の2010年が韓日併合100年に当たることから、いつ歴史認識をめぐる葛藤が再燃するか予断を許しません。将来の両国関係を占ううえで非常に重要な大きな節目を前に、本団は韓日善隣友好の先駆的かつ懸け橋的な役割を担ってきた実績を土台に、両国関係が健全に発展するための土台を固めていきます。

全ての同胞網羅の体制

 朝鮮総連は、北韓による日本人拉致問題や核・ミサイル問題に加え、学校事業の極端な不振、これまで組織を支えてきた商工人の大量離脱など、組織内外の厳しい与件にこの数年間変化はなく、引き続き弱体化の一途をたどっています。同胞社会は、総連組織からの離脱者が引き続き増加する一方で、帰化者を含む日本国籍者の漸増、新規定住者の増加という流れにも大きな変化はありません。

 本団は、帰化同胞を含めたすべての同胞を網羅し、特に新規定住者を大胆に受け入れ、様々な立場の同胞の期待と信頼に今まで以上に応えるべく、新たな枠組とルールづくりに努める一方、同胞の生活に密着した事業に力を注ぎます。

 本団はまた、民団独特の三機関制度の一部を見直し、組織機構のスリム化に向け常任部署を大幅に変更するなど、民団の伝統を守りながらも歴史的な改革を断行していきます。

 世界的な経済不況が本格化すると言われる今年から来年にかけ、中小・零細が圧倒的多数を占める同胞企業が、深刻な打撃を受けるものと予想されます。

 その影響で各級組織とも同胞商工人からの賛助金の減少が見込まれるほか、為替関係による政府補助金の大幅減少も確実視されており、全組織的に財政運営面で非常に厳しい状況が想定されます。地方本部、支部においては団費収入の減少と併せ、旅券の個人直接申請の実施による事務代行料の減収により、財政状況はより逼迫するものと思われます。

 したがって本団は、中央本部と地方本部、支部に関わらず、長年の懸案である財政の自立度を高めていく取り組みを再編・強化する一方で、推進事業の取捨選択を厳密に行い、大幅な緊縮予算を組んでいきます。効率的な組織運営を進めていく観点から、費用対効果を見極めつつ、真に同胞に役立つ事業を厳選して推進していく必要があります。

 今年度は組織機構と事業推進の両面から、全面的な改革を進めていかねばなりません。

 以上を踏まえ、2009年度は次の重点事業を集中的に推進していきます。

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重点方針

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地方参政権の獲得運動
「勝負の年」 総力を傾注

 運動を本格化させてすでに16年になろうとしています。

 本団は今年を地方参政権獲得に向けた「勝負の年」と位置付け、これまで運動を専担してきた「地方参政権獲得推進委員会」を発展的に解消し、新たに中央本部団長を本部長とする「地方参政権獲得運動本部」を設置します。

 同運動本部を中心に、今年行われる衆議院選挙に備え、組織力量を最大限に傾注していきます。本団は、政党の如何を問わず、参政権の付与に賛同する立候補者を支援する態勢を徹底していき、あわせて、日本の各政党への働きかけを一層強化していきます。

日本社会での理解を促進

 地方本部単位では地元選出国会議員への陳情、地域でのシンポジウム開催を通じた日本社会での理解の促進に努め、世論対策として報道機関への働きかけを一段と強化、日本の市民や諸団体とも連携を取りながら、地方参政権法案の採択に向け最善を尽くします。

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同胞経済・生活支援運動
民族金融機関の強化へ

 実体経済の悪化がより深刻化することが予想される今年、厳しい経営を余儀なくされるであろう同胞企業を支援していかねばなりません。

 その中心的役割を担うのは民族金融機関であり、本団は韓商連、韓国各銀行の在日支店とも連携しながら、韓信協との協議を密にし、民族金融機関の経営基盤を強化するため積極的に支援していきます。

相談センターを一層拡充

 同胞が生活する上で法的、社会的に切実な問題に対処するための「みんだん生活相談センター」と、問題に直面した来日韓国人を支援するため全国に設置した「韓国人旅行者支援センター」の相談業務など、一層の充実を図ります。

 また、同胞同士の婚姻が全体の1割程度で推移するなか、同胞同士の婚姻を求める根強い要望があることを踏まえ、結婚相談事業の活性化を推進します。

再入国許可制から除外を

 再入国許可制度の適用から、永住韓国人を免除すると同時に、07年11月に一般永住者らを対象施行された入国審査制度(指紋採取、顔写真の撮影など)から一般永住者を含む定住者(再入国許可者)まで適用を免除するよう、引き続き日本政府に求めていきます。

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次世代育成と教育・文化振興
ウリマル普及運動展開

 本団は言うまでもなく、韓半島出身者とその子孫とで構成する民族団体であります。ところが近年、ウリマルの使用は組織内部でややもすると軽視されがちであったと言えます。民族の根本とも言えるウリマルの使用を習慣化させるため、組織的な取り組みを展開する必要があります。

 ウリマルの普及のため、各種会議、行事の際には各級組織幹部が率先垂範しウリマルを使用するよう勧奨していきます。地方本部、支部が主体となって開催している韓国語講座の一層の拡充を図っていきます。同胞に対しては韓国語講座への勧誘と、各地で行われる韓国語能力検定への積極的な参与を進め、ウリマルに対する関心を高めていきます。

在日文化・歴史調査に着手

 全国各地に散在する在日の有形無形の文化・歴史遺産を発掘するとともに、同胞が多住地域に居住するに至った背景などを調査し、次世代に伝えていく事業を展開します。

 在日同胞社会に定着しつつある「MINDAN文化賞」と「在日韓人歴史資料館」のより一層の充実を図りながら同胞の文化・歴史竟識を啓発します。土曜学校、臨海・林間学校、クリスマス交流会など、オリニを対象とした事業を拡大し、大学生、中・高校生を対象とした本国招請事業を積極的に活用しながら、次世代の育成を図っていきます。

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組織強化のための事業
機構改革と統廃合推進

 昨年度、組織整備委員会から出された組織の活性化と効率的な運営のための提言を踏まえ、2009年度は組織機構の改革と地方組織の統廃合を大胆に推進していきます。一方で、将来の中長期的な組織の在り方を研究していく立場から、在日同胞問題や本団の組織問題に深い関心を持つ専門的な関係者らによるフォーラムやシンポジウムなども実施していきます。

地協単位で支部幹部研修

 全組織の意思統一を図ると同時に、55年ぶりに4部署となる常任体制の大幅改編や支部における臨時議長制と監察機関の改編を混乱なく速やかに実施するため、支団長をはじめとする支部幹部を対象とした研修を地方協議会単位で実施していきます。

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おわりに

 今年の民団には、多くの試練が待ち受けています。ですが、民団はこれまでも、家族や従業員の生活を守りながら、在日同胞社会の安寧と発展に心血を注ぐ幹部・団員の努力によって、多くの危機を乗り越えてきました。財政基盤の拡充に新規巻き直しで当たると同時に、組織の大胆な改革を推し進める決意を固め合うときです。

 これまでも述べてきたように、在日同胞社会は岐路に立たされています。民団の63年になろうとする伝統と、未来に対応する創意を結合させ、全在日同胞を民団中心に結集する覚悟を新たにしながら、試練に立ち向かいましょう。


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