地方本部 HP 記事検索
  民団の歴史  |  民団の事業  |   民団の組織機構  |   連絡先、マップ  
Home > 民団紹介 > 民団の事業

第65回定期中央委採択 11年度の活動方針(要旨)
民団の新時代 能動的に開こう

■□2011年度展望
情勢不安に万全対応 内外国民結束の先頭に立つ

 創団65周年を迎える本団は今年を、「豊かな在日同胞社会の構築に向け、全同胞を網羅する指導母体として組織基盤を再構築する年」とする。

新国際秩序形成へ葛藤

 21世紀に入って10年が過ぎた今も、新たな国際秩序を形成するための葛藤が続いている。年初から、いくつかの国で長期独裁政権が崩壊するか、瓦解の危機を迎えている。この波動は、北韓を含む他の長期独裁国家に波及する趨勢にある。

 東北アジアの情勢は、韓半島南北の緊張激化と領土問題をめぐる日・中、日・ロの対立、さらには中国の経済的・軍事的な台頭によって新たな局面を迎えた。中国・北韓対韓国・米国・日本という構図が鮮明になった。

 来年の2012年には、大韓民国はもちろん、韓半島関連の主要国で、国政・外交の行方を左右する重要な選挙が行われる。主要国の政治的変動が韓半島にどのような影響をもたらすのか、今から注視すべきだ。

 北韓の核開発問題は、韓半島と東北アジアの平和と安定に直結する。しかし、この問題を扱う6者会談の構成国が解決へ明確な意思を共有しているとは言えない。

 北韓は、昨年の天安艦撃沈と延坪島無差別砲撃という軍事挑発をよそに、韓国に対話攻勢をかけている。この姿勢は、韓国をして6者会談の早期再開を受け入れ難くさせている。6者会談の議長国である中国は、北韓擁護の姿勢で関係国との調整を続けてきた。だが、例え再開されても、北韓の核保有の意図は体制保持にあり、開発放棄は期待し難い。

 一方で、金日成独裁王朝の3代世襲公式化、貨幣改革の失敗、食糧や燃料の慢性的な不足などにより、北韓住民の不満は高まっている。北韓体制はいつどのように急変しても不思議ではない。

 本団は、大韓民国政府が北韓に提示した天安艦撃沈と延坪島無差別砲撃に対する責任ある処置と挑発防止の確約、そして非核化のための措置要求を全幅的に支持する。

国家安保へ意識堅固に

 今、私たちにとって緊要なのは、北韓でいかなる事態があっても揺らぐことのない、確固たる国家安保意識だ。

 大韓民国は昨年のG20ソウル会議の成功を土台に、経済的かつ政治的な飛躍を期している。韓半島統一を遂げるには、韓国の国力の蓄積こそ必須条件である。本団は内外の国民・同胞の結束と、国力増進の先頭に立つ決意だ。

 本団は創団65周年の今年、2大運動と3大事業を展開し、組織基盤の再構築を図っていく。

2大運動

●在外国民選挙参与運動・地方参政権獲得運動
同胞の地位向上に必須

 私たちは大韓民国の在外国民として、2012年4月の第19代国会議員選挙と12月の第18代大統領選挙に参与することになった。大韓民国の未来を左右する選挙に際し、与えられた権利を行使するために「在外国民選挙参与運動」を提起する。この運動は本団の組織基盤再構築において、重要な契機ともなる。

 昨年11月の模擬選挙において、海外同胞社会で最も多くの選挙人登録数と投票率を見せ、内外の関心を集めた。しかし、制度面と意識の面で少なくない隘路がある。本団は国政選挙において、厳正中立を守りながらも、1人でも多くの団員が付与された権利を行使できるよう、環境造成に注力する。

 本団団員をより意識化することはもちろん、事情によって疎遠になった団員、さらには若い世代を組織化するテコになる。日本に新たに定住するに至った同胞にも、民団に参加する道を開くことになる。また、朝鮮総連の活動から離れ、韓国籍を取得した同胞に対し、本団への参与を促すことにもなろう。

「地方参政権」と並行し推進

 「在外国民選挙参与運動」は、「地方参政権獲得運動」と並行して推進しなければならない。私たちにとって、在外国民としての国政参政権であり、日本の地域住民としての地方参政権である。

 すでに日本は、外国に居住する自国民の選挙権を保証しており、外国人に地方参政権を許容する欧州諸国や大韓民国に定住する日本人は、居住国で地方参政権を行使する一方で、日本国政にも参加している。

 18年目を迎えた地方参政権獲得運動は昨年、政権与党が参議院選挙で敗北したことにより、早期立法化が事実上困難になった。しかし、私たちは地域住民としての権利獲得のために、原点に立ち返り、良識ある日本人とともに粘り強い努力を傾けていく。

 私たちは、大韓民国の在外国民として、また日本の地域住民として、「在外国民選挙参与運動」と「地方参政権獲得運動」を両輪とし、法的・社会的な地位の向上を追求する。

●次世代育成運動…1000人研修を柱に

 効果的な次世代育成のために、民族教育事業と連動させながら、昨年から体系化を期した「次世代育成運動」を継続して推進する。

 本年は、「創団65周年記念 在日同胞次世代育成1000人プログラム」を中心に据える。本団が蓄積してきた経験を生かし、昨年まで政府招請事業として推進してきた中・高生、大学生母国訪問研修を、青年会と青年商工人まで対象を拡大し実施する。

 このプログラムの期待効果は、第一に、「在外国民選挙参与運動」と連動させ、選挙権の行使を通じた在外国民意識の高揚、第二に、昨年から導入した青年会強化3カ年計画に基づく地方組織の再建加速化、第三に、民族的主体性の涵養、第四に、学生会と昨年再建された在日韓国人韓国修学生会(旧・母国修学生会)の紐帯を通じた大学生組織の強化、などである。

日常活動通じ民族意識透徹

 次は、民族学校の振興と、オリニ事業の拡充だ。民族学校はそれぞれ、国際性を重視した特色ある教育の充実化に尽力している。民団はそれに応え、民族学校に対する直接的な支援だけでなく、各種のオリニ事業を通じて児童・生徒の確保に貢献する。

 夏季学校など季節的な事業とともに、民族社会教育として推進している「オリニ土曜学校」の全国化と充実化にいっそう努力する。「オリニジャンボリー」に参加した子弟を継続性のある学び場に集まれるよう導く。

 第92回国体は、京畿道で開催される。体育会は在日同胞選手団の構成において、優秀な選手の発掘に努力しており、次世代の育成にも大きな役割を果たしてきた。各地方本部の積極的な協力が望まれる。

 在日同胞社会の豊かな未来は、次世代の存在にかかっている。「10月のマダン」など民団の各種恒例行事は、オリニとその家庭を大切にする場ともなる。本団は日常活動のなかでも、民族的なアイデンティティに透徹した次世代の育成を図っていく。

3大事業

●創団65周年記念事業
未来への展望 共有図る

 本団は内外に山積する課題に立ち向かうべく、65周年事業を組織基盤の再構築のための画期的な跳躍台にする。

 本団は韓日間の不幸な歴史から派生した在日同胞社会にあって、同胞たちの生活と民族的な自尊心を守るべく、「在日韓国人の在日韓国人による在日韓国人のための団体」として誕生した。そして、自由と民主主義、市場経済原理を基軸とする祖国建設に貢献してきた。その創団精神をこれからも力強く継承するものである。

 本団は過去、記念事業を10年ごとに開催してきた。そのたびに創団精神を想起し、与えられた課題を再確認する場としてきた。2006年に実施されるべきであった60周年記念式典は、周知のように、組織混乱の影響によって見送られた。15年ぶりの事業として成功を期す。

 記念事業では、本団の65年の歴史を再評価し、現在を照明するとともに、未来の展望を共有したい。この中央委員会以降、2大運動と3大事業を通じて、新たな時代に対応する民団像を提示する、意義深い場としていく。

隠れた功労者も推戴し表彰

 全国の地方本部をはじめとする各級組織幹部たちや、本団と深い関係のある内外の貴賓が一堂に会す場で、創団以来の隠れた功労者をも発掘・推戴し、各種褒章の授与を行う。

●組織基盤再構築と財団化講究
人的資源の流動に即応

 在日同胞社会は流動化現象を見せている。本団は「同胞のための組織」として、時代に即応する確固とした組織基盤を整えねばならない。「在外国民選挙参与運動」はその核心だ。

 組織活動の原点である戸別訪問を通じて周知を図り、選挙人登録の勧奨と合わせて本団の活動を公報し、参与意識を高めたい。

 本団は創立から今日まで、中央本部は言うまでもなく、各級組織においても財政自立を多角的に追求してきたが、抜本的な解決を見るに至っていない。

法人化可能性いま一度探る

 本団の事業は社会・教育・文化・福祉事業など、公益法人体と同じ公益性を発揮してきた。これを踏まえ今一度、法人化の可能性を求めねばならない。韓日両国に対する社会的な寄与を全面に、国際的な規模の財団化構想を講究する。

●在日同胞社会統合プロジェクト
あすの団結の中心座に

 1世と2世世代においては、「祖国」と「民族」の統一は、自身の存在にかかわる切実な課題であった。故郷、母国から離散した亡国の民であり、植民地支配国であった日本に居住する在外国民として、必ず成し遂げるとの使命感と信念があった。それはまた、常に本国国民とともに在ろうとする願いの発露でもあり、在日同胞の精神的支柱であった。

 しかし、解放から66年、大韓民国建国から63年、多くの一世が夢を果たせずになくなった。2世も高齢化し、3・4世の時代になった。いまや、流動化する同胞社会の現状を踏まえ、私たちの将来について、民団を中心とした統合の道を模索しなければならない。

 在日同胞社会には、社会・文化・教育などの各分野で、自らの問題意識に基づいて多様な団体が活動している。諸事情によって、日本に新たに定着する同胞も増えており、在日同胞社会の構成員自体が多様化している。

 本団は、さまざまな価値観を持つ団体や同胞と席を同じくし、在日同胞社会の未来をともに論じなければならない段階にある。

包容力を強め夢と希望を

 本団は、1991年の世界卓球選手権千葉大会に参加した「統一コリアチーム」を朝鮮総連とともに共同で歓迎・応援して以降、和合と交流の事業を推進してきた。しかし残念なことに、朝鮮総連は北韓と同じく、何も変わっていない。北韓による天安艦撃沈と延坪島無差別砲撃を韓国側の責任であると強弁した朝鮮総連の声明は、統一と平和を求める民族に背を向けるものであった。

 朝鮮総連が現在と同じ姿勢に固執するならば、在日同胞社会にあってはならない組織として指弾されるほかない。事実、朝鮮総連から離れ、行き場を失った同胞たちは多い。民団には、こうした同胞を包容していくことが求められている。

 「在日同胞統合プロジェクト」事業では、多様な人士で構成されたチームをつくり、新しい時代に生きる次世代が韓国人(韓民族)として生きていく夢と希望を抱けるよう、ロードマップを提示する。

結び
多様な継続事業を充実

 多様な継続事業を内実あるように推進していく。

 「みんだん生活相談センター」、「韓国人旅行者支援センター」は、好評を得ている。「脱北者支援民団センター」の存在意義も高まっている。韓食世界化と韓国ブランドの格上げのため、韓食ネットのいっそうの活性化を促進し、同胞経済の活性化につながるよう注力する。

 「在日韓人歴史資料館」は、充実化を図るのはもちろん、在日同胞と韓日の著名な学者たちの参与を得て、新たな韓日関係のビジョンづくりに資するよう支援し、歴史教科書採択問題への論理構築にも対応する。

 在日同胞は海外同胞社会に多くの影響を与えてきた。本団の努力によって生まれた民間次元の海外韓民族代表者協議会、在外同胞財団主催の世界韓人会長大会に積極的に協力し、海外同胞の団結と発展を目指す。

創団精神をよみがえらせて

 創団65周年の今年、先輩たちの創団精神をよみがえらせ、時代に即した確固たる組織基盤の再構築のため、各級幹部とともに私たちに与えられた使命と責務を果たしていく。


MINDAN All Rights Reserved.