全国ネットで団員へ情報 速く正確、統一化
「IT化」の言葉が叫ばれて久しいここ数年、民団では時代の流れに対応した全国ITネットワーク化を推進してきた。今年は民団版「電子組織」の確立をめざすべく、「電子民団元年」にしていく方針だ。 「情報化」「IT化」の重要性はますます大きくなっており、仕事上で扱わなければならない1人あたりの情報量は飛躍的に増えている。当然、民団の業務も同じだ。 そこで民団は、VPN(Virtual Private Network=仮想私設網)を導入し、「団員ネット」(団員名簿管理)、「グループウェア」(日常業務の情報を共有)、「アンチウィルスサーバー」、地方本部サイト(ASP)を構築する。 これによって、これまで各地方ごとにバラツキがあった団員名簿管理をはじめ、各種業務文書のフォーマット、さらに地域団員向けのサイト(ホームページ)が一元化される。また、中央↓地方↓支部間の相互業務連絡や行事日程、報告もこれまで主流としていた通信手段(郵送やFAX、電子メール)からWebプラウズで瞬時に処理ができるようになる。 ■□
21世紀委の提言を軸に 新時代の在日同胞社会と民団組織のあり方を研究しようと、民団中央本部が2000年に構成した「在日同胞21世紀委員会」内の「IT部会」で民団のIT化とネットワーク化、同胞社会に対する情報リテラシーの向上が提言された。 この間、IT技術は日進月歩のごとく急速に発展し、民団では中央と地方のインフラ整備を中心に、インターネットを活用した団員への情報交換を推進してきた。今年を「電子民団元年」と定め、VPN(仮想私設網)を導入し@団員ネットAグループウェアB地方版ホームページを構成していく。
■□ ◇個人情報保護法に備え 今までメールおよび記録媒体の郵送によって受け渡していた情報を、より安全かつ効率的に処理するために全国ネットワーク体制を構築する必要がある。また、個人情報保護法により処罰の対象となる情報の漏洩、流出を体系的に防止する必要性が高まっている。 ◇トラブルに対応 地理的な制限により、地方本部・支部のオペレーターおよび管理者向けに充分な教育を提供できていない。簡単な操作方法の案内やシステム問題の解決も、中央本部から直接訪問または専門業者に依頼しないと解決できない場合が発生している。 VPNを構築すれば、中央のIT管理者が遠隔操作でトラブルを解決したり、オンライン教育を提供したりすることができるため、より迅速かつ緊密なネット運用が可能になる。 ◇セキュリティー対策 多数の地方本部・支部において、さまざまなウィルスやスパイウェアに感染したパソコンが検出されている。40万団員の情報を管理する組織として、個人情報を安全に保護するためには地方本部・支部レベルのセキュリティー強化が必要とされている。 VPN経由で配布されたアンチウィルスを使って、ウィルスに感染した地方本部、支部内の全パソコンを検疫・駆除することができる。
◇業務効率の改善 同じ業務を行う上でも、各地方本部・支部によって書式および手続きはさまざまだ。 グループウェアを活用すれば、組織内メール、掲示板、スケジュール、アドレス帳、各種書式、ファイル、最新情報などを全組織レベルで共有が可能となり、▽中央と地方間のコミュニケーション活性化▽全国書式・手続きの統一化▽IT化による業務の効率化▽通信費・交通費の削減を図ることができる。 |
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インターネット普及にともない、情報提供のメデイアとしてホームページの活用が不可欠。 いくつかの地方本部や支部、傘下団体でも独自のホームページを制作し、懸命な広報に努力しているが、大変なのが更新作業だ。また、制作したくても専門知識の修得に悩み、実現できないのが現状だ。 このような悩みを解決しようと、中央では地方本部版ホームページ(ASP)を構築する。 マスコミなどのサイトでもよくみかける本社サイトの中の「地域情報」(地方版)コーナーと同じだ。 オペレーターが管理者ページから簡単な操作で各地域のホームページを管理でき、簡単な処理で地元の情報をいち早く団員に知らせることができる。また、これによって各地方又は傘下団体ごとにホームページの制作、保守、管理が必要なくなり、全国レベルでの投資費用を削減できる。 ■□ 活字離れが叫ばれて久しい現代、ニューメディア時代をにらみ、ネット上における多彩なコンテンツ配信が必要になる。 サイトでは行事や地域情報などのビデオ映像提供も試み、民団と団員のネットを通じたコミュニケーションを図っていく。次世代を対象にした就職情報、ブライダル情報をはじめ、同胞業者間の情報交換の場にしていく。 このように今年を「電子民団元年」にすべく、「全国ITネットワーク計画」を推進していく。 □■ 中央本部では4年前からグループウェアを導入している。これにより館内ネットワークを活用して情報共有やコミュニケーションの効率化をはかり、グループによる協調作業が可能となった。 グループウェアの主な機能としては、@グループ内メンバー間および外部とのコミュニケーションを円滑化する電子メール機能Aメンバー間の打ち合わせや特定のテーマについて議論を行うための電子会議室機能Bグループ全体に広報を行う電子掲示板機能Cメンバー間でスケジュールを共有するスケジューラ機能Dアイデアやノウハウなどをデータベース化して共有する文書共有機能E稟議書など複数のメンバーで回覧される文書を電子化して、流通させるワークフロー機能などがある。 これらはすべて専用ソフトの必要がなく、Webブラウザから利用、ここ数年、多くの一般企業が導入している。 仕事をするとき、まずスケジュールを作り、人員を配置し、資料を準備する。そして活動が始まれば、やりとりが生まれ、レポートされる。最終的には結果が出て評価され、フィードバックをもらう。 こうした一連の動きや、その時々の思考の流れをよりスムーズにしていくことができれば、それぞれがさらに目的に向かって効率よく行動できる。組織はパワーを増し、より多くのチャンスをものにできる。 ■□ Virtual Private Network(仮想私設網)の略。最近普及しているADSL、光ファイバーなどの共有ネットワーク上に企業または組織の専用ネットワークを構築すること、またはそのために開発された技術のこと。インターネットの普及にともない、最近では次のようなネットワーク問題が増え続けている。 ▽盗聴(データの中身を盗み見られること) ▽改ざん(データの中身を書きかえること) ▽なりすまし(第三者が他人の名前を語り、その人になりすまして情報を送ること) このような問題は、具体的には、クラッカーによる企業・組織システムの破壊や機密情報の不正利用、個人情報の流出などにつながり、社会問題にもなりつつある。 VPNを導入すれば、承認されたパソコン同士が暗号化されたデータを送受信することにより、安全な通信環境を構築することができる。 かつて外部と内部が安全にアクセスするには、専用線を活用した。しかし専用線には、帯域と遅延時間を保証するが、距離と回線速度によりコストが上がることと、1対1の接続のために複数と接続する場合よりコストがかかってしまうデメリットがあった。しかしVPNは、インターネットを使うことにより、ISPの利用料金とアクセス回線費用だけで済み、距離に依存しないことによるコスト削減と1対多数の接続が容易となった。 特に国内での長距離通信や国際通信に専用線を利用している企業などは、インターネットを利用したVPNに置き換えることでコスト削減が可能となる。 (2006.1.1 民団新聞) |