私がいつも通る保谷沢近くの遊園地で懐かしい鳳仙花が咲いているのを偶然見つけ私の足は止まった。70年前、私より七歳年長だった娘時代の叔母が、いつも指の爪を赤い鳳仙花の花びらで染めていたことを思い出したからである。心のやさしい叔母は顔はアバタだったが、手は非常に綺麗で爪だけはいつも手入れが行き届き、赤く鳳仙花のマニキュアが施されていた。よく幼い私をおぶってくれ、時には小さい私の爪にも鳳仙花を染めてくれた。
鳳仙花の花と葉を皿か平たい石の上で突きこねて明礬を混ぜて爪の上に載せ、唐ゴマの葉か布で包んで一晩おくと綺麗に染まるのだった。この風俗は赤色を嫌う邪気を追い払うためというが、今のマニキュアと同じ役割をしたのだろう。
ちなみに私を負ぶってくれた叔母は83歳で今も直釜山に健在で、2年前私が釜山に行ったとき一緒に梵魚寺に行ったことがあった。
画・文
木丁・金龍煥
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