農家で育った私が、少年のころ一番嫌だったことは、家に働き手が足りなかったため夏休みなど朝早く起こされて、ヨンジャメ(研子磨)=トルバンア(石臼)の牛追いをさせられることであった。
穀物のもみがらを取る場合、普通人間が臼でつく小型の石臼や木臼を使うのだが、1俵や2俵の大量の穀物は牛が引いてぐるぐる回る大型のトルバンアを使用し、これをヨンジャ(研子)バンアとも言った。
同じ所をぐるぐる回るので、牛追いなど必要でないと思うのだが、時々鞭でしりを叩かないと牛が立ち止まるときがあるからだ。それと牛の尻尾の方にある、引き綱を結わえた横棒に乗ってぐるぐる回る面白みから、時には私自身が買って出てこの牛追いをしたこともあった。
画・文
木丁・金龍煥
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